え、心臓痛い。2 (ページ10)

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照side

阿部が部屋から出ていった後、

「ちゃんと謝れよ、翔太。」

落ち着いたとはいえ、まだ寝れない俺らは何もせず座ってた。

「…わかってるよ。でも、どう考えても、涼太は襲われたとしか思えないんだよ。」

「舘さんが、様子を見にいったのもたまたまだし、わかんないだろ。」

「部屋も荒らさずに、いたのに？おびき寄せたとしか考えらんねぇよ。」

俺らが話してる時、辰哉は聞いてるだけだった。

「…俺かもしれない。」

ぼそっと、そう呟いた。

「は？」

「もしかして、あいつのこと？」

「あいつって誰だよ！」

翔太が辰哉に掴みかかる。

「橋田だよ。あいつなら…」

橋田…あいつはでも、

「うちの財閥が会社買い取った。」

「あくまでも、可能性の話だろ。」

翔太をなだめて、元いた場所に座らせる。

翔太と舘さんは、幼馴染み以上家族くらい。

俺らも幼馴染みだけど、レベルが違う。

そんな、大切な人が怪我をしたとなると取り乱すのもわかる。

しばらく沈黙が続くと、

「なんかあった？」

部屋に入ってきた佐久間。

「いや、なんも。」

「そう？」

佐久間も感じてるだろう。あいつが関係してるのではないかと。

重苦しい空気が流れる。

「Aちゃんに、話す？このこと。」

佐久間がそう提案した。

「心当たりがあるって。」

「やめろ。妙な心配かけたくない。」

却下したのは、辰哉で。あぁ、やっぱり好きなんだなって確信した。

女のことなんか興味なくて、なんなら嫌いだったのに。

「とりあえず、翔太謝れよ。あいつも過去に大事な人亡くしたんだから。不安になるのも一緒だろ。」

辰哉に、そう言われて、ハッとした顔になった翔太。

俺だって、Aちゃんがお母さん亡くしたこと忘れてた。

いつだって、周りのことを一番気にかけるところは変わってなかった。