え、心臓痛い。2 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:139,261 hit

57 ページ7

生徒会室

「ん、じゃあ、これで終了。」

文化祭に向けた会議は最終下校を過ぎてて、翔太となぜか、途中から乱入してきた目黒くんはちょうど1時間前くらいに帰って行った。売れっ子め。

現在7時20分。

帰り支度をしてると、返信の遅いあの人になぜか責められてる。

「帰り遅くなるでしょ、またにしなよ。」

『うん、だから、岩本先輩に聞いてからね？』

「今日じゃなくてもいいでしょ？A？ねえ。」

『ママうるさいよ。』

「A？」

『わかったから、もううるさいなぁ。』

亮平は過保護だよね。ほんと。この掛け合いも見てたみたいで、岩本先輩は、3人で帰ろっかと大人な対応をしてくれた。

「阿部、それでい？」

「…佐久間！」

「んー？なんでやんすかー？」

『あ、でた、亮平の逃げの佐久間。』

「え！なにそれ！！」

岩本先輩にはなぜかツンツンしちゃう亮平。
大介先輩は、好きなんだね。ん？え？そっち？

「Aちゃん、行こう？」

3人をほっておいて、涼太さんと深澤と生徒会室を出た。廊下は真っ暗。

「あいつら元気だよな。」

『翔太たちいなくて助かった。』

「俺でも手に負えないよ。」

隣を歩く涼太さんと少し後ろを歩く深澤。

会話も無くなって、生徒会室から漏れる少し騒がしい声が小さく聞こえる。階段を降りていると

ガタッ！！！！と大きな音がした。

『っは！？え！？』

「驚き方。」

『え、なに？倒れた？なんか。』

「俺見てくるから待ってて。」

階段を降りて、音がした方に足早に涼太さんが向かった。

『大丈夫かな。』

「なんか落ちただけじゃねぇの。」

最近やっと普通に深澤と話せてるわ。

涼太さんまだかなーと、階段付近で待っていると、

「…誰だよ！？！？」

と叫ぶ涼太さんの声と数秒後に大きな音が響いた。

帰り支度が済んだ3人もちょうど降りてきていて、全員で顔を見合わせて、涼太さんが行った道を走って追いかけた。

「舘さんっ！？！？」

移動教室に使う部屋のドアに頭を押さえて座り込む涼太さんを見つけた。

『涼太さん、血が出てる…っ救急車！亮平！』

「大丈夫だから、落ち着けって。」

岩本先輩が落ち着かせてくれて…。だめだ、涼太さんが大変なのに…。

「…大丈夫だよ、Aちゃん。」

頭を押さえながら、笑っていう涼太さん。

「全然大丈夫じゃないよ…。」

タオルを出したり、電話したり、みんなが動く中、

私はなにもできなかった。