冷えた眼 (ページ10)

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放課後

自分を守ることに必死な私は、帰る準備をして彼がいないドアを抜けて帰路についた。

グラウンドの横を通れば、野球部が準備運動をしていて、サッカー部がゴールを動かしてた。

球技なんかできないわたしは、しばらくそこに立ちすくんで練習の風景を見てた。

「なにしてんの。」

今日は2度、急に声をかけられる日みたい。

「教室見たらいないから。」

目黒くんはモテる。自身もそれを自覚していて、素の自分なのかいつも余裕そうだ。

『ちょっと、お腹痛くて。』

「なんか言われた？」

彼は、同じ陽キャの言葉を信じるだろう。

『目黒くんは、部活、やってないの？』

「…サッカー部」

『そうなんだ。練習は？』

「めんどい。」

『そっか。』

サッカー部は、シュート練習かな、ゴールに向かって走ってる。

夏前のこの時期、木陰から見るのに苦痛はなくてしばらく無言で練習を見てた。

「蓮ー！！！」

女の子の声が聞こえるまでは。

少し焦った私は、急いで荷物を持ち、『帰るね』と走って帰った。

目黒くんは何も言わず、グラウンドを見続けていて少しその姿に見惚れた。

学校から離れたところを歩いてると、「Aちゃん。」大ちゃんが少し汗をかきながら呼び止めてきた。

『どうしたの？』

「目黒に、またなんかされてる？」

『なっ、なんで？』

「何話してたの？」

片腕を掴んで片頬を撫でながら必死に聞く大ちゃん。

『大ちゃん、どうしたの、？』

「Aちゃん、もう目黒に近づくのやめな？」

『目黒くんは、ただのクラスメイトだよ？』

「ただのクラスメイトは、目を赤くさせたりしない。」

大ちゃんは、優しい。

「だからもう、お願いだから、心配させないで。」

「Aちゃんが傷つくの黙って見てられない。」

「俺が目黒を傷つけちゃう。」

大ちゃんの優しさは、時に重くて罪だ。

「だから、お願い、」

私は、うん。と言うしかなかった。

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一部の方が評価が低めで、少し考えます。
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