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68人目 ページ33

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「ちょ、Aっ……待って」


「俺とこうしたかったんだろ?」




乱数の両腕を頭の上に固定し押さえ付ける。

抵抗しようと暴れるが、俺はそれ以上の力でねじ伏せた。

乱数は諦めたのか、抵抗するのを辞めて俺を見つめ始める。




「僕が上が良かった……」


「でも受け入れちゃうのか?」


「うん……Aなら、いいよ」




熱のこもった目で、俺を見つめる乱数。

足を俺の身体に絡め、両頬に手をそっと添える。

顔面の良さも最大限活かして全身で俺を誘う姿に、不本意にも俺はドキドキしていた。




「乱数」

「A……はやくっ」




余裕の無くなってきた乱数は、物欲しそうな顔で俺を急がす。

俺はその流れに身を任せそして___









ポスンッ




「え……?」

「暖かいな、お前……」





ポカンとアホ面晒す乱数。

何だその顔は?

俺が簡単に事を犯す訳が無いだろ?

と、抱きしめた乱数の"胸"から顔を上げる。

俺がしてやったり顔でニヤついていれば、乱数の顔は段々赤に染まっていった。





「バカバカバカ!!有り得ない!!あれだけムード作っといてコレ!?」

「乱数くんは何を期待してたのかな〜?」

「うっわ何その顔ウッザーい!!」





乱数は両腕を出すと、俺の頭をポカポカと殴った。





「Aとえっ ちしようと思ったのに……萎えちゃったじゃん!!」

「逆に何で出来ると思ったんだ?」

「え、Aってチョロそうだから流れでイケるかなって」

「おい待て、それは聞き捨てならない」





さも当然と言うようにとんでもない事を口にする乱数。

俺のイメージどうなってんだ……。





「Aなんてだいだいだーい嫌い……」

「ふーん。じゃあ俺も」

「それはダメッ」





ギュッと俺の頭を抱き潰す乱数。

息ができないと乱数の腕を叩けば「あ、ごめん」と力を緩めた。

殺す気か?





「駄々っ子かお前は」

「何、悪い?」





こ、コイツ……

今何時だと思ってやがんだ。

俺がジトリと視線をやると、乱数はそんな事気にも止めずに側にあった自分の服を着だした。





「僕は十勝A。君が欲しいだけだよ?」





乱数はシャツのボタンを止めながら言う。





「……俺は物じゃないし、誰の物にもならないよ」

「あっはは。それは無理じゃないかな?」

「何で?」

「何でって……だってもう、皆手遅れだからさ」





乱数はニッコリと微笑み、再び俺の横にパタリと倒れた。



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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時

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