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64人目 ページ29

「ほ、本当か…?」

「何疑ってんだよ…真面目な子だなとは思うけど、それ以上でもそれ以下でもないぞ?」

「そ、そうか…そうだよな」




安心したように微笑む独歩を見てこっちまで嬉しくなる。

ここは同僚として、独歩の恋を応援しなければ…!!




「………応援してる」

「えっ…?」

「独歩、顔は良いし仕事も出来るからきっと上手くいくよ」

「………」




夢見さんもさっき誠実そうな奴が好きって言ってたし。

独歩ドストライクじゃないか?

好きな人居るって言ってたけど、まさか独歩なんじゃ…




「勘違いされてる、のか…?あぁ、これもきっとハッキリしない俺のせい俺のせい俺のっ…」


「何処にそんなネガる所があったよ独歩…」




折角応援してやったのにいつもの如くネガりだす独歩。

今日ばかりはコイツのネガティブのツボが分からん。









「キャアッ!!!」


「ッ…!?」





近くで女の悲鳴が聞こえたと思ったら、何かに躓いた拍子に転びそうになっていた。


それだけならいいが、その手には湯気のたった珈琲が握られていた。


独歩は下を向いて気付いていない…




「独歩危ないっ…!!」

「えっ……」




俺は咄嗟に独歩を抱き寄せた。


独歩がすっぽり俺の体に収まったお陰で、なんとか珈琲が掛からずにすんだ。




「ごっ、御免なさい!!あのお怪我は!?」


「俺達は大丈夫。君は火傷してない?」


「わ、私は大丈夫です!!」


「そう…ならいいんだ。コップの破片は危ないから触らないようにな?」




後は俺が何とかするから。


そう言って、女性社員を下がらせた。


そう言えばさっきから独歩が一言も話さないが、大丈夫だったのだろうか…




「おーい独歩?お前は怪我してな……どうしたお前、顔真っ赤だぞ…?」


「っ……!!」




抱いたままの体を離すと、独歩の顔は林檎みたいに真っ赤に染まっていた。


目をグルグルと回すその様子に、俺は心配になる。




「何処か火傷でもしたのか?」

「……………した」

「マジか!?何処だ見せてみろ」

「こっ……」

「こ?」

「心をっ……」

「………は?」




独歩は両手でギュッと胸を掴むと、突然ガタッと勢い良く立ち上がる。




「ちょ、独歩どうし…」

「ごっ、ご馳走様……!!!」

「あっ、オイ!!」




俺の呼び掛けは独歩に届かず、光の速さで去って行った。


てか待て、弁当箱も忘れてんじゃねーか…




「はぁ…ホントに最近何なんだ?」




悪い事が起こらなければいいが…



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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時

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