62人目 ページ27
恋する乙女とはこの事を言うのか…
「その人は私のヒーローなんです!!孤独で潰れそうだった私を救ってくれたんです…」
頬を染め、幸せそうに語る夢見さんにホッとする。
良かった…女子はこういう話題が好きだもんな。
取り敢えず先程までの気まずさから逃れられたのは良しとしよう。
「今まで会えるはずがないって思ってたのに…今はすぐ側にいるんです!!もう、運命ですよね…♡」
「それは…ロマンチックだな」
「ですよね!!だから、その人の事もっと知りたいんです…好きな物も好きな色もタイプも趣味も…」
「……」
「でも、全然上手くいかないんです…」
再び暗い顔をする彼女。
もしかして俺に引いたんじゃなく、恋愛が上手くいかなくて機嫌が悪かったのか…?
「誰かが邪魔してるみたいなんです…」
「あぁ…」
三角関係ってやつか…それはお気の毒に。
なんて、他人事のように思う。
「一生懸命頑張ってるはずなのに…」
「うーん…そんなに無理しなくても夢見さんは大丈夫なんじゃないかな?」
「へっ…?」
「その相手もきっと、ありのままの夢見さんが良いんじゃないかな?」
「っ…!!」
「夢見さん、普段から頑張り屋さんっぽいし…ね?」
生気を感じられない瞳を見て、何か無理してるんじゃないかと思った。
恋敵がいると不安になるのはわかるけど、それで病んでしまってはいけない。
相手に無理して合わせてストレスを溜めるのもよくないし…
そう思った俺は、夢見さんを安心させるべく声をかけた。
夢見さんは顔を勢いよく上げると目を大きく見開いて俺を捉える。
「わ、私っ…重いって言われます…」
「軽いよりはずっと良いんじゃないかな?」
「ほ、本当…ですか?」
「俺はね?」
「っ…」
夢見さんはワナワナと何か言いたげに口を震わせる。
「じゃっ、じゃああのっ…!!!」
ガチャンッ
大きな音を立てて、俺と夢見さんの間に弁当箱が置かれる。
それに触れる骨ばった細い腕を目で辿れば…
「お疲れ様…」
「独歩…?」
「ここ、空いてるか?」
「あ、あぁ…空いてるけど…」
「そうか…」
独歩はそう言うと、俺の隣の椅子にドカリと座ったのだった…
¯
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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時