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"クソ気まずい"
この一言にすぎる…
「〜…で、ここを…」
「……はぃ」
朝から夢見さんは元気が無い。
明るい性格なわけではないが、常に一生懸命で返事も挨拶もしてくれる。
そんな夢見さんが、今日は声が小さく口数もずっと減った。
きっとドン引きしてんだろうな…
男同士でベタベタして、恋人いないって言ったくせにあんなLINE送りつけて…
…て言うか全部俺のせいじゃないっつの!?
どれだけ文句垂れようが時間は戻せないし仕事も待ってはくれない。
午前中はこの気まずい空気の中なんとか耐えてもらい、昼食は歳の近い女性社員を呼んで一緒に食べたらどうだ?と提案してみた。
しかし、夢見さんは俺とでいいと言って断わってしまった。
いや、なんでやねん…
「……昨日はごめんね?ちゃんと帰れた?」
「はい。大丈夫です…」
「ははっ…ホント、お見苦しい所も見せちゃって…」
「………」
だ、駄目だーーー!!!
この空気耐えられん!!!
こんな事なら無理にでも女性社員と食べさせればよかった…
室内のクーラーは効いているはずなのに、変な汗がダラダラ流れ出す。
これ以上話して悪化させでもしたらいけないと思い、食べる事に集中する事にした。
しかし、それは箸を机に置き俺を見る夢見さんによって阻止される。
「……Aさんって、伊弉冉一二三さんと仲、良いんですね…」
「あ、一二三の事知ってるの?」
「名前呼びする程仲良いんだ…」
夢見さんはボソリと呟くと俯き始めた。
仲が良い事気にするって…まさか一二三のファンだったりするのだろうか。
「伊弉冉さんの事は知ってます。だって、歌舞伎町No.1ホストですから…」
「うん、それもそうか…一二三の事好き?」
「いいえ」
「えっ…?」
夢見さんはキッパリと否定した。
ホストモードの一二三を嫌う女性なんて滅多にいないから少し驚く。
「私はあんな人より…もっと誠実そうで、身長が高くて少しミステリアスで…優しい人が好きです…」
さっきまでとは逆に、恍惚とした表情で語る夢見さん。
その言葉はやけに抽象的に思えた。
「へぇ…好きな人でも居るの?」
待てよこれ…まさかセクハラになるんじゃ!?
思わず口から出た言葉に後悔する。
若い女性にこの質問は失礼か…
俺は急いで謝ろうと口を開く。
しかし…
「はい、います…」
その言葉もまた、夢見さんに遮られてしまった…
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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時