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「……って!!何してんだよ!!」
「何って…僕達夫婦の愛を彼女に見せつけただけさ☆」
「何ちゃっかり恋人から夫婦にグレードアップしてんだよ…」
ゴシゴシと頬を擦りながらシンジュクNo.1ホストの顔にデコピンを喰らわす。
「たくっ、頬だからまだ良かったものの…お前さては相当酔ってるな?」
「酔ってなんか無いさ!!…僕は正気だよ」
急に視線が鋭くなる一二三にドキリとする。
機嫌でも悪いのだろうか…?
あ!!と言うか…
「ごめん夢見さっ…て、居ない?」
「帰ったみたいだね」
「しまった追いかけないと…!!」
「待ってAくん!!」
彼女を追いかけようと後ろを振り返った時、一二三が俺の腕を掴み引き止める。
その顔は、不安と悲壮で歪んでいた。
「彼女彼女って…僕よりも、会ったばかりの子猫ちゃんを取るの?」
「会ったばかりって…何でお前が知って…」
「やだよ…オレっちを選んでよAっ」
「一二三……」
スーツを着てるのに、一二三とジゴロがアベコベになってしまっている。
目には涙を溜め、その瞳は不安げに揺れていた。
「あぁ…疲れてんだな、ヨシヨシ…」
「話逸らすなってぇ…!!」
そう言いながら、俺が腕を広げたら真っ先に飛び付いてくる。
「お前…泣いたらブサイクだな」
「Aちんのせいだしぃ…!!」
「そんなんじゃ子猫ちゃん逃げちゃうぞ?」
一二三の零れそうな涙を指で拭う。
すると一二三はその手に擦り寄ってくる。
「こんな事して…許してもらえるなんて思ったら大間違いだからな…」
一二三はふにゃりと笑った後に頬を膨らませてそう言う。
「別に許してもらおうとは思ってないけど」
「………ねぇ、Aちん」
「ん?」
「絶対にオレっちから離れんなよ?」
一二三はそう言うと、俺の手に添えていた自身の手で、ギュッと俺の手首を握る。
「もし、Aがオレっちじゃなくてあの娘を選んだら……
オレっち、あの娘にナニするか分かんねーから…」
「一二三……?」
「あぁ、いけない…子猫ちゃん達が僕を待っている!!」
「一二三!?」
「すまないダーリン、君がいると言うのに他の娘に愛を振りまいてしまう僕をどうか許して欲しい…でも、僕が本当に愛しているのは君だけだよA!!」
長々と語った一二三は俺の手を取りキスを一つ落とした。
俺は颯爽と去っていく奴の背中をただ呆然と見送った。
「な、何だったんだアイツ…」
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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時