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56人目Side銃兎 ページ20

「殺す。徹底的に叩き潰すっ…!!」



プツッと電話が切れる音がする。

誰かと電話をした左馬刻がこちらを振り向くが、その顔は明らかに不機嫌だった。

はぁ、また面倒臭い事になりそうだ…



「どうしたんだ左馬刻。何やら叫んでいたが…」

「理鶯、聞いたら面倒な事に巻き込まれますよ」

「あ"ぁ!?今なんった銃兎ぉ…」

「いいえ何も?それより、先程の電話は何だったんだ?」



ここまで来たら聞いてしまったほうがスッキリする。



「……さっき寂雷さんから連絡あって、Aに変な虫が付いたってよ」

「変な虫………それは食せるのか?」

「理鶯、今のはそういうのじゃないと思いますよ?」

「フム、そうだったかすまない…」



理鶯の天然は今に始まった事じゃないが…

左馬刻が言った"変な虫"ってのは…



「女、か…?」

「チッ…!!」



図星だったようで、左馬刻は分かりやすく舌打ちを鳴らす。

ったく、子供かよ本当…



「それで?なぜ私達に連絡を?」

「"排除"して欲しいんだとよ。まぁ…言われなくてもやってたけどな」

「左馬刻、小官も手を貸す。Aに何かあっては遅いからな」

「と言いつつ、ただAを取られるのが嫌なんでしょう?理鶯」

「む?そうなのか…」

「無自覚かよ…」



自分が独占欲剥き出しな事気付いてないのか…

こういう奴が一番怖い。

まぁ、俺も人の事言えないんだが…



「まったく、私に黙って浮気なんて…Aさんも罪な人ですね」

「そもそもお前ら付き合ってねぇだろーが」

「黙ってろ左馬刻!!」

「やめろ…銃兎、左馬刻」



そう言って理鶯が俺達の間に入る。



「こんな所で体力を使っても無駄だ。我々の目的は同じだろう?」

「「理鶯…」」



理鶯の目は獲物を狩る時の…

好戦的な目をして笑った。

まだ知らぬ女に密かに同情する…

敵が悪すぎだ。



「さて、腹が空いては戦はできぬ…小官が貴殿らにスタミナ料理を振る舞おう!!」

「「り、理鶯!?」」

「丁度さっき、大きなイノシシが手に入ったんだ」



そう言うと理鶯は、鼻歌を歌いながら支度を始める。

俺達は女をしょっぴく前に死ぬんじゃないだろうな…

隣にいる左馬刻とアイコンタクトを取り、何時ぞやのように俺達はスクワットを始めたのだった。



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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時

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