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52人目side独歩 ページ16

敵は社内だけでも両手じゃ足りないほどいる。

受付の女、後輩、同僚、上司…

更には取引先の人まで。

一番驚いたのは同僚の"男"に、Aになら抱かれてもいいと言われたこと…

Aに抱かれるのは俺なんだよお前はその辺のオッサンとでもしてろブッ殺すぞオイッ…






寂雷先生と一二三でチームを組んでからわかった事だが、敵は社内だけではなかった。

それでも…Aと過ごす時間は俺の方が圧倒的に長いから優越感を感じていた。

今日も今から昼飯を一緒に食べるんだ…

カタカタとリズムよくキーボードを叩くAの後ろから声を掛ける。



「A…!!あの、昼飯い、一緒にっ…」



ちょっと声が裏返る。

は、恥ずかしい…

そう思いながらAが振り返るのを待つ。

その時…



「十勝くんっ!!」

「か、課長…!?」



憎たらしい…ハゲ課長の声が響く。

ちょっとは空気読めないのかクソハゲ!!



「どうされたんですか課長?」

「君に頼みたいことがある。こちら今日から入社してきた夢見メルくんだ!!」



そう言う課長の後ろから、ひょこりと顔を出す女性が見えた。



「は、初めまして…夢見メルと申します!!」



赤い顔、Aと視線が合うたんびに目を逸らす仕草。

あぁ、この人も俺と一緒か…



「君にはこの子の教育係になってもらう!!」

「はっ…?」



本人より先に反応してしまった。



「……はい課長。こんにちは、俺は十勝Aと言います」

「ひ、ひゃい…十勝、Aさん…」

「あっはは…緊張してる?大丈夫、これからよろしくね」



そう言って握手を求めるAの手に触れる夢見という女性…

俺が近くに居るというのに完全に二人の世界に入ってしまう。



「ぇあ、ちょっ…」

「ごめん独歩…さっきなんか言ってたよな?」

「あっ…!」

「っ……!?」



Aは俺に気付いてくれた…!!

単純な俺はその事実に嬉しくなる。



「あの、お昼一緒に食べようと…」

「あぁ、もうそんな時間か…夢見さん、食堂は分かる?」

「ごめんなさい!!わかりません…」

「いいよ、じゃあ今日は一緒に食べようか」

「えっ…」



Aと昼飯食べるのは、俺だけだった筈なのに…

息が、苦しい…



「…い、おい独歩!!」

「あ、えっ…」

「どうした?具合悪いのか?」

「っ………な、何でもない」

「そっか…じゃあ飯食いに…」

「あ!!お、俺用事あるの思い出したから!!」



そう言って俺はその場から駆け出した。



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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時

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