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50人目 ページ14

「で、何で家に来てたの?」



そう言ってよるご飯の酢豚を口に放り込む。



「アンタが食ってるそれを届けに来たんだよ…」

「あ、そうなの?」

「そうでもしなきゃ、Aはすぐコンビニ弁当になるだろ」



栄養が偏って体に悪いからな!!ちゃんと食えよ!!

そう言って一郎は俺を叱る。

もうどっちが大人かわからないな…



「ありがとな一郎…お前の料理美味いから嬉しいよ」

「っ……お、煽てても何も出ねぇからな」

「いや、別にそう言う訳じゃ…本当に思ってる事だし」

「っ〜!!だからそういう所だ馬鹿野郎!!」

「え、なんの話!?」



今日の一郎は情緒不安定なのか?

やたら叫ぶな…

え、てかよく見たら顔赤くない…?

やべー、さっきの雨で風引いたのかも…

俺は急いで席を立ち、一郎の側に駆け寄る。



「こら!!食事中に席立つ…」

「ちょっとごめん…」

「お、おい!!何してっ…」



一郎の前髪を上げ、自分の額を当てる。

その時あまりにも手で俺の体を押して抵抗してくるものだから片方の手でその手を掴んで押さえ込む。



「ん"〜、やっぱ熱いな…」

「っ……!?」

「ごめんな一郎…」

「ちょっ!!」



ジタバタする一郎を押さえ込んでお姫様だっこする。

あ、良かった俺意外とまだ力あんだな…



「何すんだ降ろせ!!」

「暴れんな落とすぞ」

「何する気だよ!!」

「ベッドに行こうと…」

「えっ…」



急に静かになる一郎。

心なしか顔が先程より赤くなった気が…



「お前…相当熱あんだろ」

「は…?」

「俺の事はいいから寝てろよ」

「っ〜…フン"ッ!!!」

「グフッ!!」



一郎の右ストレートが俺の顔にヒットする。

イケブクロ最強の拳に一般リーマンが敵うわけ無いだろ加減を知れ!!!



「グゥ〜…な、何すんだよ!!」

「自業自得だ!!」

「俺が一体何をした!?」



寧ろ一郎の身体を心配したんだけど!?



「お前、熱あるくせしてよくそんな元気あるな…」

「こ、これはっ…違う熱で!!」

「違う熱…?」

「っ……帰る!!」

「え、おい待てよ!!」



逃げるように玄関へ向かう一郎を追いかける。

一郎がドアノブに手を掛けた時、俺は一郎の腕を掴んで引き止めた。



「なぁ、違う熱ってなんだ?」



一郎は振り向かないまま答える。



「…………アンタは、まだ知らなくていい」

「えっ…」



一郎は俺の手が緩んだすきに外へ出てしまった。

知らなくていいって…

出て行く一瞬で見えた一郎の切な気な表情が、妙に頭にこびり着いた。




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ひねんちはね(プロフ) - ああ゛…更新頑張ってくださぃぃぃいい!続き待っております!!! (2021年10月19日 3時) (レス) @page35 id: 30f9b6695d (このIDを非表示/違反報告)
貴方の作品のファン - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月13日 1時) (レス) id: b6500f375f (このIDを非表示/違反報告)
華月 - 自分も十四君が気になります。これからも更新頑張ってください(*^^*)待ってます! (2019年9月26日 1時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 白猫さん» 待っててくださり有難うございます!!更新頑張りますね(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)
hrmk。(プロフ) - 自宅警備員さん» ごめんなさい頑張ります(泣) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 6c7a6386f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:hrmk。 | 作成日時:2019年3月24日 16時

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