君のそばにずっといたい ページ31
TH side
僕はたまに自分が悲しくなくても涙がでるときがある
怖い夢を見た時の感覚で
それは突然、自然にやってくる
小さい頃はそれが煩(わずら)わしかった
男なのにいきなり泣き出すとか意味がわからなかった
そしてその理由がわかったのは、長期休みのときにだけおばあちゃんの家にくるAが泣き出した時
僕達は双子だけど一緒に過ごした日は浅い
Aは両親の元で、僕はおばあちゃんとおじいちゃんの家で過ごした
最初僕はAがうらやましかった
ずっとアボジとオモニといれるから
でも実際はそうじゃなくて
アボジもオモニも、僕たちどちらも愛してくれていたけど本当に仕事が忙しかったんだ
長期休みでこっちに来たAが泣いた理由はおばあちゃんに抱きしめられたから
嬉しくて泣いちゃった彼女をいまでも覚えてる
寂しかったといっていた
アッパもオンマも大好きだけどここにずっといたいと
僕とずっといたいといっていた
あのころの記憶はいまでも全て鮮明に覚えている
その時初めて実感した
君は僕の大事な妹で
僕は君を守らなきゃって
もう二度と寂しい思いをさせたくないって思った
芸能界を目指した理由はお金がすぐに貯まると思ったから
そのお金でAと住める大きくてあの子が好きな物全部揃った家を建てようと思ったから
Aがやりたいことを1番近くで応援したいと思ってたんだ
まさか僕と同じ道にくるとは思っていなかったけど
それでも嬉しかった
Aと仕事が被ったりして前より会う時間が増えた
プライベートでだって子どもの時に行けなかった場所に行っていっぱい遊んでいっぱい写真をとった
2人だけの思い出ばかりじゃなくてジョングクとか可愛い弟も入ってきたのは誤算だけどそれでも楽しかった
だけど、楽しいことばかりじゃないのが現実で
僕たち2人はこの世界に苦しめられた
アンチにサセン…
僕にはジミナがいた
ジョングクやヒョンたちもいた
でもAには…
本当に辛い時、君の傍に僕はいなかった
いまでも後悔してる
君が倒れたと聞いた時、今日顔色が悪かった時、
心臓が飛び跳ねるくらい動いて頭が回らなくなった
いつだってAが望むこと全て叶えてあげたい
けれど、僕になにができるんだろうってずっと考えてる
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作者名：あいす。 | 作成日時：2021年4月30日 1時
