テヒョンくんの双子の妹は愛されてまして。 (ページ30)

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遠い記憶ページ30

You side

息が苦しい

目を覚ますと何故か水の中で

ああ、息ができないわけだと

もがきながら思った

助けてほしいという声すらだせず

もがく気力も薄れてきた頃

すごく大きな手に

私は引っ張られた

??｢A!!!｣

You｢げほっ。かほっ｣

??｢寒いよな
これきて!｣

私を水から引き上げてくれたであろう人は自分が着ていた服を私にかけてくれた

You｢あなたは………だれ？｣

彼の顔をみたいのに、どうしても眩しくてよく顔が見えない

??｢寝ぼけてる？笑
まったく。僕は君の………｣

意識が薄れていく

彼はなんて言おうとした？

ぱちっ

そこで目が覚めた

見たこともない天井から病院だとわかる

そこでまた目を閉じた

ああ、私倒れちゃったんだ

最近寝てないからだろうか

ステージ前寝ようとしても眠れないのはいつものことだから

なぜいきなり、私の体は悲鳴をあげたのだろうか

それともずっとギリギリだったのかな

気づいてないだけで私は相当弱いのかな…

…………

だめだ。弱気になるな

今までだって大丈夫だったんだから

これからこんな失敗しなきゃいいだけ

大丈夫。わたしは大丈夫だから

TH｢A…｣

You｢!!?｣

大好きな声が聞こえた

いまステージにいるはずのテヒョンの声だ

でもテヒョンはここにいるはずないから

ああ、そこまで弱ってしまっていたのかと自分に呆れた

TH｢A A
もう大丈夫だよ。僕はここにいる
君が元気になるまでここにいるよ｣

右手があたたかい

握られた手を辿っていくと、そこには大好きなあなたがいて

You｢うそだ…｣

風邪を引いた時、そばに誰かがいてくれたことはなかった

いて欲しかった時

そばに誰かがいてくれたことはなかった

それは全部誰も悪くなくて

当たり前だと思っていた私の日常

だから…だから…

You｢ねえ…どうしているの…？｣

TH｢Aが心配だったからだよ｣

その一言で、どうしてか涙が出た