Phase.01 ページ3
今頃、太宰治―――太宰が、森鴎外に指令を受けているところだろう。
私は中原中也。
"文豪ストレイドッグス"の中原中也に成り代わり、中原中也として生きている者だ。
何時も通り眠りにつき、目が覚めると中原中也に成っていた。
だなんてベタな事が起こり、今まで過ごしてきた。
今日は後の双黒、そのまた後の旧双黒と呼ばれる、太宰治、中原中也が出会う日だ。
故に、私は摺鉢街を歩き、太宰を待ち、そして太宰が森鴎外―――首領に連絡するのを待った。
丁度今、その場面に直面している。
「兎に角、詳しくは帰って報告を―――」
そう云おうとした太宰を背後から蹴り飛ばす。
そうすると太宰の体はどんどん摺鉢街の下へと、転がり落ちていく。
「ははっ！ こりゃあいい！」
「ガキとはな！ 泣ける人手不足だな、ポートマフィア！」
私は嗤いながら台詞を云う。
主要キャラとの対面で、少々何時もより気合いと緊張が増している。
「！………痛いじゃあないか……」
「痛いのは嫌いなんだけど」
耳に馴染むような、齢15にしては低い声がそう云う。
太宰は仰向けに倒れ、私に踏まれていると云うのに、心底如何でも良さそうだ。
心底如何でも良さそうだ。
そう原作に書かれていたのに惑わされ、私は少しの違和感に気付けなかった。
「お前に選択肢をやる、ガキ」
「今死ぬか、情報を吐いてから死ぬか。好きな方を選べ」
ポケットに手を突っ込んだまま、返事の判っている台詞を続ける。
「其の二択、いいね。心がそそられるよ」
体を建物に打ち付けられているのに、太宰の声は何処までも平坦だ。
私はそんな太宰が、少し恐ろしい。
「じゃあ今殺せ」
何ともないように云った其の言葉に、恐ろしさを感じ乍らも私は黙る事はなかった。
知っていたからだ。彼が自 殺嗜好と云う事も、帰ってくる台詞も。
「泣いて逃げ出すモンかと思ったが、意外に根性のあるガキだな」
「ガキは君も同じだ」
「俺と戦う奴は皆最初にそう云う。だが、直ぐに其の間違いに気付く。
ただのガキじゃねぇんだよ。手前と違って」
気付いたのだが、恐らく此れは小説に基づいて続いている。
原作―――主人公の登場からは、アニメか漫画か把握しておきたい。と、場違いな事を思った。
「さて、話して貰おうか。手前が調べてる《荒覇吐》について。知ってる事全部な」
私は思い切り、傷だらけの太宰を踏みつけた。
其れでも、太宰は少し口角を上げるだけだった。
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眠いちゃん - lokilokiさん» 全然大丈夫です〜！ 寧ろありがとうございます！ (1月20日 14時) (
レス) id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月25日 23時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠いちゃん | 作成日時：2023年11月4日 21時
