19 ページ19
｢アンタが持ち出した賭けだぜ、死にたくなきゃ潔く負けを認めちまえよ｣
こちらの勝ちが決定した瞬間、安堵の溜息を零していると皆が理事長を煽りだした。
｢それに私たち、もし理事長が殺せんせーをクビにしても構いません｣
｢家出してでもどこかの山奥に籠ってでも、僕らは3月まで暗殺教室を続けます｣
これが私たちの出した答えだ。何があってもこの先生を自分たちでそして最後までついて行く、と。
｢今年のE組の生徒は…いつも私の教育の邪魔をする ここまで正面切って歯向かわれたのは今年に入って何度目だろうか｣
｢殺せんせー、私の教育論ではねあなたがもし地球を滅ぼすなら…それでもいいんですよ｣
その言葉と同時に閃光が走った。まさか…！と思った時にはもう既に遅かった。
しかし、次の光景に目を疑った。そこには見覚えのある黄色の粘膜性の皮が。
｢ヌルフフフ…私の脱皮をお忘れですか？脱いだ直後の皮は手榴弾の爆風くらいなら防げます｣
先生の奥の技である、｢脱皮｣。それは幾度も私たちを助け、幾度も弱点として攻撃されていた。
｢月に一度の脱皮…か 何故それを自分に使わなかった？｣
｢…あなた用に温存しました 私が賭けに勝てば…あなたは迷いなく自爆を選ぶでしょうから｣
先生は自分と浅野理事長を似たもの同士だ、と明言した。教育の理想が十数年前の理事長とそっくりだったことも話した。だけど、そこには大きな疑問が残る。何故、ここまで2人は違うのか。
｢私があなたと比べて恵まれていたのは…このE組があった事です。纏まった人数が揃っているから、同じ境遇を共有してるから校内いじめに団結して耐えられる。1人で溜め込まずに相談出来る。｣
｢そして理事長、このE組みさを創り出したのは…他でもないあなたですよ 結局あなたはで昔描いた理想の教育を無意識に続けていたんです｣
ひょい、とナイフを取り上げ理事長に差し出す殺せんせー。
｢殺す教育ではなく、生かす教育 これからも…お互いの理想を貫きましょう｣
理事長は向けられた刃を素直に手に取り、じっと考えるように見つめた。
｢…私の教育は常に正しい この十年余りで強い生徒を数多く排出してきた ですが、あなたも今私のシステムを認めたことですし…恩情を持ってこのE組は存続されることとします。｣
｢それとたまには私も殺りに来てもいいですかね？｣
柔らかな表情でナイフを見せつける理事長の提案に殺せんせーは快く引き受けていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みづき(プロフ) - 恋桃さん» コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけていると思うととても嬉しいです！！これからも更新少しづつですが頑張りたいと思います！！ (2020年5月16日 12時) (
レス) id: baa518ef73 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - るーさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！更新長らくお待たせしてすみません...。更新スピード上げていきたいと思ってます！ぜひ今後ともよろしくお願いします^ ^ (2020年5月16日 12時) (レス) id: baa518ef73 (このIDを非表示/違反報告)
恋桃(プロフ) - ニヤニヤしながら見させて貰っております！更新頑張ってくださいね！ (2020年5月16日 9時) (レス) id: 39afcceb68 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 何時も楽しく見させてもらってます！ 続き楽しみにしてます (2020年4月24日 15時) (レス) id: 6ef237c20a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みづき | 作成日時：2020年3月31日 17時
