君の背中【赤羽業】4 (ページ6)

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夏祭りの時間ページ6

｢…夏祭り？｣

私は外にいる殺せんせーの言葉を聞き返す
先生はぽろぽろ泣きながらフリップを出している

｢そうなんです…今思い立って皆さんに声をかけているのですが用事があるからと断られて…｣

｢んーいいよというか元々カルマと行く約束してたし｣

そう答えると先生は嬉しそうに小さな目を輝かさせた

｢ならカルマくんも来ますね！！でも一応彼にもこのことを伝えておきます｣

とマッハで私の家より少しだけしか距離が違わないカルマの家へ行ってしまった

私は先生と話すために空けていた窓を閉めてエアコンをつける

｢そういえば…｣

思い出したかのようにクローゼットを開くと新品の浴衣がかけられていた
白色の生地に桜が散りばめられたようなデザイン

｢カルマどんな顔するんだろ…｣

喜んでくれるかな…？
私は少しだけ高揚感を感じながら浴衣を見つめた

約束の時間
家のインターホンがなりカルマが来たことを知らせる

私は急いで2階の自室から降りて玄関を開ける

｢おまたせー｣

そう言って出るとカルマは目を見開き私を上から下までじっと見つめてくる
似合ってないのかな…
カルマの黙っている時間、不安が煽られる

｢浴衣…着たんだ｣

カルマの私の浴衣姿をみた感想第一声を聞き私は一瞬虚無感に襲われた
でもここで引きたくない

｢去年着て来なくてグチグチうるさかったの誰でしたっけ｣

そうべーっと舌を出すとふっとカルマは笑いだした

｢はははっそうだったね似合ってるよ浴衣｣

不意にそう言われてさっきまで感じた虚無感が一気に消えた
そして自分の頬が緩んでいるのがわかる

カルマが行くよと私に左手を差し出す
それに私は返事をするようにぎゅっと右手で握った

カルマの体温を感じる

少しだけ浮き足立ちながら夏祭りへ向かう