君の背中【赤羽業】4 (ページ5)

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海辺の時間ページ5

｢要するに怖がらせて吊り橋効果でカップル成立を狙ってた？｣

肝試し終了後
殺せんせーはみんなに囲まれ問い詰められていた

｢だって見たかったんだもん！！手を繋いでにやにやしちゃうカップルを！カルマくんとAさんならいけると思ったらこういう時に限ってひっつかないし！！｣

…最後の一文は余計だと思う
そのカルマは私を洞窟の中に置いていく始末だし

するとみんながギラギラした目でビッチ先生と烏間先生を見る
…まさかくっつけようとか考えてるんじゃ

｢これにて…作戦変更！！ビッチ先生と烏間先生をくっつけよう作戦に移行します！！！｣

ほーら言わんこっちゃない
私ははぁ…とため息をつき仕方なくついて行こうとすると

｢んじゃ、俺らパスで｣

カルマに腕を引っ張られ反対の方向へ連れてかれた

｢ちょっと…どこ行くの？？｣

｢んー？みんなより少し離れたとこ｣

全く反省してない…
私はさっきの洞窟置いてけぼり事件怒ってんだからねと伝えるとごめんってと軽く受け流された

連れてこられた先には欠けた月の光が照らす海が広がっていた

｢…綺麗｣

そう呟くとカルマは満足そうに私を見た
私の視線がカルマの視線とぶつかる
月明かりに照らされたカルマはいつもより大人っぽく見えた

｢夏…終わっちゃったね｣

もし私たちが3月までに殺せんせーを殺せなかったらもう夏を楽しむことも出来なくなる
そう思うと急に寂しくなってきた

｢来年があるきっと再来年も｣

カルマは自信たっぷりの目で私に答える
その目に吸い込まれそうだった
そして来年もこうしてカルマと一緒にいたいと感じる

｢今年の夏はもう終わっちゃうからさ、来年プールとか行こうよ｣

カルマの突然の誘いに目を見開く
そして忘れた頃の水着を思い出した

｢プールじゃなきゃダメ…？その…例えば普通に買い物行くとかもいいと思わない？｣

｢普通の買い物は夏以外でも出来るでしょ …もしかして水着のこと？｣

そう図星をつかれ私は黙り込む
するとそういえばなんで赤色なのか聞いてなかったと掘り返されてしまった

｢それは…言えないでもその約束ならできる｣

そう答えるとカルマはわかったよと納得してくれた
これ以上問いつめられたら私の精神が持たなくなりそう
そして一気に上がっていた心臓の音は波の音にかき消されたような気がした