君の背中【赤羽業】4 (ページ39)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:110,356 hit

イケメンの時間ページ39

｢体育祭の棒倒しィ？｣

教室中に疑問符が浮かぶ
それに気になり私は外から聞き耳を立てた
何やら男子たちが体育祭でA組と賭けをするらしい
それも発端はなんと磯貝くん

｢…でもさ俺ら元々ハブられてるから棒倒しには参加しない予定じゃんか｣

｢第一、A組男子は28人 E組男子は15人とても公平な戦いには思えないね｣

この会話を聞いてなんとなくわかった
浅野くんあたりが勝負をしかけたんだろう
こんな卑怯な考えをするのは彼しかいない

｢ケっ E組に赤っ恥書かせる魂胆が丸見えだぜ｣

｢…どーすんだよ受けなきゃ磯貝はまたペナルティだもう既にE組に落ちてるし下手すりゃ退学処分もあるんじゃね？｣

磯貝くん…どうするんだろう

｢いや…やる必要ないよみんな浅野の事だから何されるかわかったもんじゃないし｣

｢俺がまいた種だから責任は全て俺が持つ退学上等！暗殺なんて校舎の外からでも狙えるしな｣

爽やかな磯貝くんの声
でも…彼はあまりにも優しすぎる

｢イケてねーわ全然！！｣

｢えぇ！？｣

｢なに自分に酔ってんだアホ毛貧乏！！｣

やっぱりクレーム殺到
そして中からものを投げるような音もしてくる

｢難しく考えんなよ磯貝 A組のガリ勉どもに棒倒しで勝ちゃいいんだろ？楽勝じゃんか！！｣

彼の親友でもある前原くんが発破かける

｢倒すどころかへし折ってやろーぜ！！なぁイケメン！！｣

日頃の彼の行いのおかげなのかな
自分のことよりクラスのことを考えるその姿に身についた人徳が彼にはある

私は外でうんうんと頷いていると

｢もー入ってきてもいいよ、A｣

カルマが私を呼んだ
ギクリと背中が凍る

｢なっ…なんでわかったの？｣

｢逆にわからないとでも思ったの？｣

うーーー…このまま見守って終わりにしようと思ってたのに
私はそーっと教室に入った