君の背中【赤羽業】4 (ページ30)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:110,349 hit

30 ページ30

今夜もきっと携帯ショップを狙って暴れる
私たちはそれを予測しイトナくんを待ち構えていた

ガシャン！！と窓ガラスが割れる音がして私たちは前に出る

｢勝ちたい…勝てる強さが欲しい｣

｢やっと人間らしい顔が見れましたよイトナくん｣

痛々しい荒んだ目で私たちを見つめるイトナくん
前よりもげっそりとしているためかその目に覇気は感じられない

｢兄さん…｣

｢殺せんせーと呼んでください私は君の担任ですから｣

2人が会話をする中
珍しい人物が介入する

｢スネて暴れてんじゃねーぞイトナテメーにゃ色んなことされたがよ、水に流してやるからおとなしくついてこいや｣

この中だと1番接触が多かった寺坂くんがイトナくんを誘う
しかしその声もイトナくんには届いていないようで

｢うるさい…勝負だ…今度は…勝つ｣

弱々しくなった触手をビュンビュンと動かすもそれは殺せんせーには恐怖の対象にすらならない

｢もちろん勝負してもいいですがお互い国家機密の身どこかの空き地でやりませんか？｣

｢暗殺が終わったらその空き地でバーベキューでも食べながら皆で先生の殺し方を勉強しましょう｣

今度はちゃんと肉やら野菜やらが刺さった串を見せてイトナくんに言う

｢そのタコしつこいよ～ひとたび担任になったら地獄の果まで教えに来るから｣

｢当然ですよ｣

その言葉はカルマが言うからすごく説得力がある
何せ彼も殺せんせーに手入れされてここまで来た人間なのだから

｢目の前に生徒がいるのだから…教えたくなるのは先生の本能です｣

真っ直ぐにイトナくんを見つめてそう言った殺せんせー
やっぱり私たちの自慢の担任だ

すると突如大量の粉のようなものが私たちを覆い始める

｢げほっ…これなに！？｣

2人の触手が溶けだしていることで何の粉か理解出来た
対先生物質の粉だ

｢ううっ！？｣

イトナくんが苦しそうな顔を見せる
ただでさえ体力を消耗してるのにこれでは命が危ない

｢これが今回第二の矢イトナを泳がせたのも予定のうちさ｣

シロ…だ

その数秒後
イトナくんが網で捕らえられ車に引きずり出され始める

｢さぁイトナ君の最後のご奉公だ追ってくるんだろ？担任の先生♡｣

…最低だ
そう思った時みんなは立ち上がった

｢…あンの白野郎～…とことん駒にしてくれやがって｣

今の私たちは同じ気持ち
私たちやイトナくんを駒のように扱って…
ただじゃ済まさない

反撃のゴングが頭の中に鳴り響いた