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イギリスの進学校への編入
一気に頭が真っ白になる
「なんで…そんな突然すぎる」
「親が子のために良い環境を作るのは当然だろう? それと同じように私はAに落ちこぼれクラス以上に良い環境を与えているんだ 」
悪い話ではないだろうと勝ち誇ったような表情で言う
私にとってE組以上に幸せで良い環境があるわけない
そう口を開こうとしても体が動かない
「だからE組の皆さんにもお別れを言っておきなさい あなた達とは違ってエリートになりますって」
そう言い残すと父親は上機嫌で自分の書斎へ行ってしまった
どうして…嫌だと言えなかったのだろう
苦しくて涙が溢れた
みんなと離れたくない
イギリスへなんか行きたくない
その言葉が出なかった
次の日
私はE組を噛み締めながら学校に行くことになってしまった
殺せんせーがまた何かドジ踏んでみんなが楽しそうにツッコミを入れる
そんな当たり前のような光景がもう来週には見れなくなる
そう思うと苦しくなってきた
「何苦しそうな顔してんの」
私の顔を覗き込むようにして聞いてくるカルマ
心配するような瞳に私は酷く動揺した
「なんでもないよ」
私はできる限りの笑顔を作り誤魔化してしまう
「そ? でもなんかあったら絶対言ってよ」
そう言うとカルマは自分の席へ戻っていった
本当はカルマに、みんなに編入のことを言いたい
でもそれを言ってしまったらこの雰囲気を壊してしまう
それが怖くてずっと口を噤むことにした
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作者名:みづき | 作成日時:2020年3月17日 21時