君の背中【赤羽業】4 (ページ14)

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家族の時間ページ14

竹林くんの件以来、より絆が深くなったE組
誰ひとりとして抜けてはいけない
みんなで殺せんせーを殺すことを目標に学校へ向かっていたある日

家へ帰ると見慣れない革靴が一足置いてあるのに気がついた
私はその光景に一瞬息を飲む
…帰ってきたのか
そっと扉を開くとピシッとした高級ブランドのスーツを身にまとった男の人が立っていた

私の父親だ
海外で進学校の教師を務めている父親が約半年ぶりに帰ってきたのだ
しかし帰国はもう少し遅い予定のはず

｢おかえり、A｣

張り付いたような笑顔で私に声をかける
何か嫌な予感がして仕方がなかった

｢ただいま…帰国の予定はもう少し遅かったよね？なんでいるの｣

そう聞くとはははっと乾いたような笑い方をしてまぁ、座りなさいと自分の目の前の椅子を指した

｢学校は楽しいかい？｣

｢まぁまぁ…こんな世間話するために帰ってきたわけじゃないでしょ早く本題を言って｣

私が刺々しくそう応える

｢まったく思春期の娘をもつ父親は大変だよまぁいい君は今E組とかいう落ちこぼれクラスにいるらしいね｣

全身に緊張が走る
しかし逃がなさいと言わんばかりの強い眼差しで私をどこまでも捕まえようとする

｢そんな落ちこぼれクラスに入るために椚ヶ丘を受けさせた訳では無いだけど本校舎に戻れる成績があるとも聞いたつまり言いたいことはわかるね？｣

…E組を出ろってことか
でもその選択は私には無い

｢…お言葉ですが父さん私、E組に出る気はさらさらな｣

言葉を言い切る前に頬に冷たくて鋭い痛みが走った
今、ビンタされた…？

｢口答えは無駄と知っているくせに …来週までにここの荷物を全部まとめなさい｣

｢A、君は父さんが務めているイギリスの進学校への編入が決まった｣

｢…は？｣

それはあまりにも唐突で
私は父親が何を言っているのかわからなかった