君の背中【赤羽業】2 (ページ5)

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次の日の朝
少しだけ体積が増えたように見える固定砲台さんがあった

きっと今日もあんな乱射なんだろう…そうため息をつくと

｢おはようございます！！Aさん！｣

今まで聞いたことの無い声色で固定砲台さんが私に話しかけてきた

｢なっ…渚くん杉野くん、どうなってんの…？？｣

｢先生がプログラミングしたらしいよ…｣

渚くんの顔を見ると戸惑っていた

転校生がおかしな方向に進化してしまったことに戸惑いを隠しきれない
するとその進化に気が障ったのか

｢はっ騙されてんじゃねぇーよ愛想は良くてもどーせまた空気読まずに射撃すんだろこのポンコツ｣

寺坂くんの罵声が聞こえた

｢ポンコツ…そう言われても返す言葉がありません｣

そう言って固定砲台さんは涙を流す
機械も泣くんだ…なんて感心してしまった

｢殺せんせーに諭されて私は協調の大切さを学習しました私のことをすきになっていただけるよう努力し、皆さんの合意を得られるまで…｣

｢私単独での暗殺は控えることにしました｣

そう笑顔で答える姿は人間さながらで
可愛いなって思った

すると殺せんせーは得意げな顔をして私たちの話に加わる

｢もちろん、彼女の殺意には一切手をつけていません先生を殺したいなら彼女はきっと心強い仲間になるはずですよ｣

機械までちゃんとした生徒にしちゃうなんて…先生にはお手上げだ

休み時間
やっぱりクラスメイトは進化を遂げた固定砲台さんを囲んでいた

｢わぁ、体の中でなんでも作れるんだ！｣

｢はい！作って欲しいものがあればなんでもおっしゃってください！｣

｢じゃあ…花とか！！｣

｢わかりました！花の形を学習しておきます｣

みんなの固定砲台さんを歓迎するようなムードが教室中に渡る
その証拠に自律思考固定砲台という名前が長すぎるということで｢律｣と呼ぶことになった

｢なんだか、上手くいきそうだね｣

隣にいるカルマにそう聞くと
カルマは何かを見抜いたような顔をして

｢んー、どーだろ｣

曖昧な答えを返した

｢どうして？？｣

｢寺坂の言う通り殺せんせーのプログラム通り動いてるだけでしょ機械自体に意思があるわけじゃない｣

｢あいつがこの先どうするかは…あいつを作った開発者が決めることだよ｣

カルマのいつにも増して真剣な目
私はそのまま律を見つめた