君の背中【赤羽業】2 (ページ36)

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やっちゃった…
そう思いながら制服の水を絞る

｢そーいや寺坂くんさっき私のこと散々ヘヴィとかふとましいとか言ってたよね？｣

原さんがプンプン怒りながら寺坂くんに問いつめる
私はその光景を微笑ましく見ていた

｢あーあほんと無神経だよな寺坂はそんなんだから人の手の平で転がられんだよ｣

ニシシシッとカルマが悪魔のような笑顔をうかべる

｢うるせーカルマ！！！テメーも1人高いところから見てんじゃねぇ！！！｣

そう言うと寺坂くんはカルマを水の中へ引きずり込ませた

｢っちょ！はぁ！？上司に向かって何すんだよ！！｣

｢誰が上司だ！触手を生身で受けされるイカれた上司がどこにいんだ！！だいたいテメーはサボり魔のくせにいつもオイシイ場面持っていきやかって！！｣

その言葉にクラスメイト数人がうんうん、と頷いた
そして一斉にカルマへ飛びかかる
私はそれがおかしくって笑顔が零れた

そしてそーっとカルマの背後に迫る

｢っはぁ……てかAは？｣

そう言った瞬間
私はカルマにビシャン！と大量の水をお見舞した

｢はぁ！？｣

カルマは私を見て目を丸くする

｢この前の水鉄砲のお返し｣

そうニヤリと笑うとみんな、いーぞ！！やれやれ！！と声を出した

私は内心、寺坂くんがかなり乱暴だけどクラスに馴染めたことが嬉しかった

あぁ…この時間がずっと続けばいいのに

プールの時間が終わったあと
カルマは自分の濡れてしまった制服を絞っていた
私も同じようにしていると

｢…A｣

と呼び止めた

｢なに？｣

そう返事をすると不器用に自分のカーディガンを私にかけてきた

｢なに…これ？｣

｢濡れてるし気休め程度だけどそれ着といて｣

私はどうして着させられているのかわからず
聞くと

｢見えてる｣

そう言いながら目を逸らした
私は下を見ると下着が若干透けているのがわかった

また私は他人に下着を…！？飛んだ痴女じゃないかと恥ずかしくなりそのまま俯く

｢ごめん…ありがとう｣

そう呟き教室へ戻った
実はこういうところで優しさがあるのがカルマなのだ
私はそこ優しさにいつも助けられてるし、甘えそうになる