君の背中【赤羽業】2 (ページ30)

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プールが終わったあと教室に戻ろうとすると

｢すげー！！！まるで本物じゃねぇか！！｣

と興奮する声が聞こえた
そこには殺せんせーがバイクに乗っている姿がある

｢…何してんだよ吉田｣

｢あ、寺坂いやぁ…この前こいつとバイクの話で盛り上がっちまってようちの学校こーいうの興味あるやついねーから｣

照れくさそうに吉田くんは先生を指す
なんだかんだで寺坂くん以外は殺せんせーのことを好意的に思ってるっぽくて少しほっとした

でもそれが気に食わなかったのか寺坂くんはバキッと殺せんせーの乗っていたバイクを壊してしまった

すると思いの外ブーイングがクラス中に殺到する
そりゃそうだ、こんなことして怒られないはずがない

｢てめーら…虫みてぇにブンブンうるせぇな駆除してやるよ！！｣

すると寺坂くんは殺虫剤を床に叩きつけた
煙がまん延する
私は咄嗟に顔を覆った

｢寺坂くん！やんちゃんするのにも限度って物が…｣

そう先生が寺坂くんの肩に手を置くと触んじゃねぇーよと手を払った

｢気持ちわりーんだよテメーもモンスターに操られて仲良しこよしのE組も｣

…そんなに文句があるなら殺せばいいのに
そう思うと隣いたカルマが口を開いた

｢何がそんなに嫌なのかねぇ…気に入らないなら殺しゃいいじゃんせっかくそれが許可されてる教室なのに｣

同じことを思っていたようだ
私も小さく頷く

｢何だカルマてめー俺に喧嘩売ってんのかだいたいテメーは…｣

そう指をさしながらずんずんカルマと私の方へ近づく
するとすぐさま寺坂くんの顔を片手で捕まえる

｢ダメだってば寺坂ケンカするなら口より先に手ぇ出さなきゃ｣

ものすごい握力でメキメキという音すら聞こえてくる
さすがカルマ
最近は喧嘩などあまりしていないようだが相変わらずのスピードと力だ

寺坂くんはそれに一瞬ひるんだがすぐにカルマの手を払い除け不機嫌そうにどこかへ行ってしまった