君の背中【赤羽業】2 (ページ16)

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そんな不穏な空気がある男子たちを横目に私たち女子は作戦を練り始めた

｢この中で運動神経がいいのは…ひなたとあと中村さんかな？｣

バスケは5人で行いE組は何度でも交代ができるシステムになっている
そしてE組の女子はあわせて11人
つまり誰かひとりはやらずに終える可能性がある

｢あのー…みんなが出来なくなるのアレだし私はずれて応援しようか？｣

そう提案するとみんなからすぐにブーイングがきてしまった

｢そんなのダメよ飯塚さん！みんなでやってみんなで勝ちたいじゃない！だから一緒に頑張ろう！！｣

片岡さんが真剣な目で私を見つめる

｢…うん！！｣

そう言われて心が少しだけ暖かくなった
E組のみんなは本当にいい子ばっかりだ
みんなに会えてよかったなぁ…

そして片岡さんの提案でみんなで放課後球技大会当日まで練習をすることになった

｢そういう事だからカルマ、先に帰ってて？｣

体操服に着替えそうカルマに言うと
少しそっぽを向いてわかったと了承した

夕焼けが私たちをジリジリと照らし続ける

｢はい！Aパス！！｣

｢わっ…！！｣

中村さんの豪快なパスにびっくりしながらも、しっかり受け取りゴールめがけて一気にドリブルをする

しかし次の瞬間
視界が一転した

｢ぎゃっ…！！！｣

何とも色気のない叫び声が響き渡る
ズザザザザザーっと勢いよく転んでしまった
足は擦りむいて痛みが走る
するとみんなが焦った顔で私を取り囲んでいた

｢大丈夫ですか！？Aさん！｣

｢A！！大丈夫！？！｣

手を差し伸べられすっと立ち上がる
傷は浅いが結構な面積を擦りむいていた

｢大丈夫だよごめんね、私のせいで練習止まっちゃって｣

そう片岡さんに言うと

｢全然平気だよ！練習止まることより飯塚さんの体の方が大切｣

そう優しく答えてくれた
そして誰か運んであげてーと声をかけてくれたがそれには流石に遠慮して練習を続けてもらった

右足の方が特に傷が大きいのか引きずりながら歩く
これ保健室までに血が垂れないといいんだけど…

そう思いながら向かうと
カルマがこちらを見ていた

なんでいるの…！？！