１６ 絵 ページ18
翔 side
まさか、あそこに智くんが来るなんて…
「聞きたいです。けど、聞いちゃいけないと思います」
翔:変わってないなぁ……
智くんはいつもそうだった。
誰かを頼る時はちゃんと頼る。
でも、頼るべきではない時は絶対に頼らない。
どんな誘惑があったって彼は負けない。
翔:聞いてもいいのに
楽になれる。
あの場で全てを聞けば楽になれる。
けれど、彼はそんなことしない。
自分がそんなことをすれば、俺が辛い思いをするかもしれないから。
翔:智くん……
かばんから彼の書いてくれた絵をだした。
初めてあったあの日。
『これ、あげる』
『え、いいの？』
『うん。どう？』
『きれいだね。すごく』
そう言うと智くんはどや顔をした。
俺は、その顔に思わず笑った。
『あ、笑った』
『あ、ごめん』
『違うよ。そうじゃなくて』
『え？』
『さっきから見てたけど、全然笑わないから』
『そう…？…』
『うん。笑顔の方がいいよ』
『ありがと…』
『んふふ』
嬉しそうに笑う智くんが俺にとって
すごく羨ましかった。
俺はあの丘で
自分の境遇を思い出してた。
俺にとっては、辛くて、思い出せば胸がつまって涙が溢れそうな思い出だった。
その俺の隣でニコニコと笑う智くんは
光だった。
翔:もう、いいよ。もう、いいから智くん。
思い出してくれなくていい。
智くんが変わらずにいてくれるならそれでいいよ。
俺に罪悪感を感じて苦しんでほしくない。
智くんが苦しむくらいなら
俺の事なんて
忘れたままでいいよ。
翔:なんて、口では言えても……
やっぱり、俺は
彼が思い出してくれると
心の中どこかで期待してる。
翔:…智くんっ、早く、思い出してよっ
言ったじゃないか。
死ぬまで隣にいてくれる。って
智くん……
俺はただ、絵を握りしめて、
泣いてた。
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しょうの(プロフ) - 水翔華さん» 嬉しいです！ありがとうございます！出来たら更新してみます！ (2016年7月7日 14時) (
レス) id: 0fcff80d9c (このIDを非表示/違反報告)
しょうの(プロフ) - 征嵐さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2015年11月16日 19時) (レス) id: 0fcff80d9c (このIDを非表示/違反報告)
征嵐(プロフ) - お久しぶりです。続きを、楽しみに待っています。 (2015年11月15日 21時) (レス) id: df9490a7fd (このIDを非表示/違反報告)
水翔華(プロフ) - お久しぶりです！！さしぶりぐらいに小説が更新されたので、テンションがめっちゃあがりました！！ほかの小説、特に『鬼と呼ばれて』ですかね？凄く好きなので、時間があれば更新してほしいです。お願いします！！！ (2015年3月14日 20時) (レス) id: 72beee32ac (このIDを非表示/違反報告)
しょうの(プロフ) - 櫻吹雪さん» 更新は、大変ですよね…。作品、読ませていただきます!! (2014年1月7日 6時) (レス) id: 682d9bdf90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょうの | 作成日時：2013年10月20日 21時
