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Sside
「ほんと、？」
目をまん丸にする和に微笑んで頷く
俺は…和が好き。
でもなんでかな、胸がモヤモヤする。
嬉しいけど、どこか複雑。
「翔、ちゃん？」
「へっ？」
…ぎゅう
「かずっ…」
「もう、俺しか見ないで…」
抱きしめられて、耳元で呟くように言う和。
息が耳にかかってゾクゾクする。
「うん…」
すると、ふっと力が抜け、腕が解かれると和の手が頬を撫でる。
心地よくて目を閉じると、手が顎に触れて優しく、でも少し強引に引き寄せられる。
「…いい？」
「…ん」
和の言葉に応えるとすぐに触れ合う唇。
甘い、甘い…キス
何故かこの時はさっきのモヤモヤは忘れて、
胸がいっぱいになった。
「…んっ」
「あ、もうつくな。」
気づけばもう頂上なんてとっくに過ぎてて、地面がかなり近くに来ていた。
さっきの甘い空気は何処へやら…
すぐにいつもの俺らになる。
下では大野先生が腕を組んで待っていた。
「はぁ〜、お前らな…
みんな待ってるから、急ぐぞ。」
少し怒ってるように見える先生だけど、
何故か笑顔は優しくて。
前を歩く先生の後ろ姿がどこか切なくて…
なんでかな
またモヤモヤが胸に溜まっていた。
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作者名：aki | 作成日時：2015年3月25日 16時
