※２１※ remember ページ26
Nside
翔ちゃんの事は、本当に子供の頃から好きだった。
それが、“友達”としてじゃないって事に気付いたのは、たぶん、中学に入ってから。
「和、もう、自分責めるのはやめろ。
どうせサッカー選手なんて俺には無理だったんだし…」
「…うん」
「俺、リハビリ頑張るから。」
「…うん、じゃあ…俺も一緒に病院通うから。
学校でも、一緒にいろいろ手伝うから。
そんくらいは…させて？」
「ん、わかった。ありがとな。」
何故か、こん時だけは、翔ちゃんがすっごく大人に見えて、
それでもすごく、儚くて…
だから、決めたんだ。
俺は、翔ちゃんにずっとついていくんだって。
せめてもの償いに。
それからは、翔ちゃんのリハビリだって毎回ついて行ったし、
学校でも着替えや、階段の昇り降りなど、翔ちゃんの身の回りのことは手伝った。
翔ちゃんが昔と変わらない、
普通の生活が送れるようになったのは、
中3の冬から。
それでも、運動は出来なくて、
高校に入ってやっと、
体育の授業に出られるようになった。
その事に翔ちゃんはすっごく喜んでて、
もちろん、俺だって嬉しかった。
このまま、翔ちゃんがまたサッカー選手目指してくれないかなって、ちょっと期待したりもした。
でも、そんな俺の浅はかな願いなんて、
叶うわけもなかった。
ただ、絶対に出来ないっていう現実から、
自分のせいで翔ちゃんの将来を潰したっていう、事実から、
俺は逃げたかっただけなんだ。
でも、あの事故から、
俺は翔ちゃんへの気持ちがより濃くなった気がしていた。
俺が、守ってやらないとっていう気持ちが、強くなったんだ。
「ニノくーん、さっきの、翔くんにナイショね？」
だから、こんなやつに渡す訳には、いかない。
.
_______________
またまた思いつきで書いてしまった、和くんたちの過去のお話。
ちょくちょく、そのようなお話も挟んでいければと思います。
突然重くてすみません^^;
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作者名：aki | 作成日時：2015年3月25日 16時
