青学にやってきたのは皇子様でした (ページ6)

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対面ページ6

翌日は少し早めに学校に向かった

『...眠い』

欠伸を噛み殺して登校し玄関へと足を進めていったら何処からか声が聞こえてくる

『こんな朝から..何だ？戦か？』

そんな訳ないか..
とはいえ俺は気になったので声が聞こえた方へと向きを変えて足を進めていくと、そこには何か板の様なものと球をもった人間が沢山いた

みんな同じような服を着ているが、数名だけが
全く違う服を着用していた

『...あれ』

彼等の背中の文字を見て昨日の事を思い出した

『..えっと..』

違う服を着ている人達を見渡し
昨日助けてくれた人を探す

けど..全然見当たらない

『うーん...居ると思ったんだけどな』

昨日の礼に持って来た煌札束を渡そうとしたんだけど、居ないなら渡せないか..

仕方ないと思いその場を後にしようとしたら後ろから声をかけられた

「やぁ」

『！』

バッと振り返ると、昨日の人が相変わらず柔らかい笑を浮かべて立っていた

「昨日の子だよね..あれからちゃんと帰れたかい？」

『えぇ、おかげさまで...申し遅れた、俺は練Aと申します。昨日は命を助けて頂きありがとうございました。つまらない物ですがこれを』

そう言って鞄から煌札束を出したら
その人は驚いた様に目を見開いて、札束を俺の鞄に押し込み返した

「どうしてこんな大金を持ってるの..！」

『貴方に礼をと..』

「先生に見つかったらどうするつもりだい..ともかくそれは絶対に鞄から出しちゃ駄目だよ」

『え...でも、礼が』

「お礼はもうありがとうって言ってもらったし、僕がたまたま通りかかって助けただけだから良いよ」

『しかし..』

「僕が良いって言ってるんだから良いんだよ、わかったかい、練君」

有無を言わさずに返された言葉に思わず口籠る

『...すみません、でした』

「うん、良いよ。大丈夫」

申し訳なくなって謝罪を述べれば
その人は許してくれた

『..何ならば、貴方は受け取ってくれますか』

「え？」

『金ではないなら何が欲しいですか？』

「僕は何も要らないよ」

『しかし、俺は貴方のお陰で救われた..貴方のお陰で、まだ俺は戦える。生きている...だから礼がしたい』

皇子である俺がこんな事をしてはならないのだろうが、俺は彼の前に膝を付き頭を下げた

「僕は当たり前の事をしただけなのに、どうしてそこまで言うのかな？」

『..』

「ねえ、練君」

名を呼ばれて顔をあげたら

「テニスは好き？」

『...はぁ..？』

意味不明な事を聞かれた