青学にやってきたのは皇子様でした (ページ23)

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自己紹介ページ23

side不二

この人は僕達を罰する気はない
それは既にわかっていた..ならどうして此処から出してくれないのか..なんとなくだけど、僕はAが関係しているんじゃないかって思うんだ

だってさっきから聞いてくるんだもの
その子はどうだとか、どうしてそこまで想うのか
とかね..関係ない人からすればどうでもいい事の筈だ。それでも聞いてくるって事は、この人はAの関係者って思っただけ

手塚達は一向に目覚める気配がない
鉄格子の向こうではあの人が蝋燭の灯りで何か読んでる

渡されたパンは僕達が食べてるパンとは違って
なんだかとても固い気がした

??「それを食べたら眠りなさい」

「こうめい...さん、でしたっけ」

さっき扉の向こうから聞こえた言葉を言えば
こうめいさん？は眉を顰め僕を見た

「さっき、向こうから聞こえました」

??「..だから何ですか」

やれやれというように溜息をつき続きを促す

「どうしてそこまで僕の言う“その子”が気になるんですか」

越前達が起きる前に
どうにかして此処から出して貰わないと..

??「暇潰しに聞きたかっただけですが」

「暇潰しにしては、その子の話をすると表情が変化してましたよ」

??「何が言いたい」

「貴方はその子の事を知ってるでしょう。こうめいさん」

これが真実か嘘かはどうだっていい
僕だって今までの時間、大人しく繋がれてた訳じゃない

彼との会話から大切なキーを弾き出し、此処から出る方法を考えていた。

出られる確率が上がるなら
僕は彼に問いかけ続けるだけだ

Aの事を、ただひたすらに..

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side紅明

私の判断が甘かった
彼は予想を遥かに上回る速さで仕掛けてきた

真っ直ぐと私を見据えAの名を出し
次々と質問してくるこの男は、恐らく私とAとの関係に気付いた

先程の会話で探っていたのは
こちらだけではなかったか

??「Aを連れ去ったあの子も...貴方と関係があるんですか」

紅覇..思い切り警戒されてるじゃないですか..

「...はぁ」

もう疲れた
これ以上腹の探り合いをしても無駄だろうと思った私は懐から鍵を取り出し牢を開ける

「練紅明と申します。貴方の言うAとは兄弟ですよ」

この子に敵意はない偽らずとも良いだろう
そう判断し名を名乗ると彼は笑顔で言ってきた

??「不二周助です。紅明さん」

不二周助殿..
彼がAを護ってくれるであろう男だと決め
彼とその仲間を空いている部屋へと連れ経った