青学にやってきたのは皇子様でした (ページ18)

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心配ページ18

side不二

あの日から、Aは部活に来ていない。越前に聞いたがどうやら学校にも来ていないみたい

手塚「無断欠席か...規律を乱す者は許さん」

「...」

手塚は怒っているけれど
僕はどうしても彼の事を怒れなかった

あの日...あの時
突然現れた子に連れ去られたAは、今にも泣き出しそうな表情だったから

乾「不二」

「ん？どうしたの」

声をかけられ振り返ると乾が乾汁を持って立ってる
新作かなって思ってたら、彼の口から出た言葉は僕の予想と全然違った

乾「練の欠席の理由。お前は何か知っているんじゃないか」

「...知らないよ」

知らない。僕は何も知らない
知りたいと思っているのに、彼の内には入れなかった

「乾、僕は本当に何も知らないんだ」

乾「お前が練を追って行った日から彼奴は欠席している」

「だから何？僕のせい？乾のデータは何の為なの？」

...棘のある言い方になっちゃったよ
それでも乾は表情を変えずに僕の前に立ってる

「乾こそ知ってるんでしょ。Aの事。何時もデータ取ってるじゃない」

乾「俺が持っている練のデータで今回の事に役立つものはない。プライベートで持っている彼奴のデータは..彼奴が一人暮らしだと言う事だけだ」

「..一人暮らし」

乾「あぁ」

乾のデータに嘘はない
だけど...一人暮らしなら、あの時Aを連れ去ったあの子は一体誰？

越前「何話してるんすか二人して」

桃城「二人だけサボってるとかずるいっすよぉ！俺達ヘトヘトなのに！」

「越前、Aに兄弟っている？」

越前「は？...そんなの聞いた事ないですけど」

今日の練習は確か午前まで..後一時間で終わる筈

越前の言葉に礼を言って手塚の元に走る

「手塚」

手塚「なんだ、不二」

「Aが心配だ。午後に彼の家に行く。手塚も来て」

一瞬眉を潜めた手塚だったけど
訳を話したら頷いてくれた

...まぁ
まさかあんな事になるとは思わなかったけどね