７０ できることを ページ25
翌朝＿
「卵焼き焼けました！どうですか？」
「お、良くできてるねえ」
『ふわぁあ』
朝食準備中、沸々と音をたてる鍋を前に私は大きな欠伸をした。
……眠い、とにかく眠い。
他のマネージャーの皆はてきぱきと作業を進めているというのに、未だに私の目は半開きのままだ。
ごしごしと顔を擦っていると、秋さんが此方を向く。
「Aちゃん、眠そうだね」
『いやあ、ちょっと夜更かししちゃいまして』
・
昨日の夜。
私は悠馬に、イナズマジャパンの現状と自身の気持ちを包み隠さず全て話した。
鬼道さんと豪炎寺さんの離脱や、過去二回の試合の中での妨害行為。
一星君が今まで皆にやって来た事と、弟の光君の話。
私がまだ一星君を信じたいと思っていて、どうにか解決出来ないか模索している事も。
「成る程、そんな事があったんだね」
悠馬は、途切れ途切れで纏まらない私の話と思いを巧に汲み取ってくれた。
『私、一星君の一番近くにいたのに……鬼道さんも助けられなかったし、一星君の事自体も何も分かってなかったの』
皆の前では決して言えない弱音も、彼の前ではぽろりと零れてしまう。
電話の最後の方で、彼は私にこう言ってくれた。
「分かった。僕の方でも色々考えておくね。」
『ごめんなさい。リハビリだって大変なのに、色々』
「謝らなくて良いよ、A。Aは凄く頑張ってる。」
『でも、悠馬』
「大丈夫、僕に委せて。必ずこの手で変えてみせるから……約束でしょ？」
約束、覚えててくれたんだ。
ほんの少し、昔と同じ音で胸が鳴った様な気がした。
・
「あ！Aちゃん、お鍋煮立ってるよ！」
つくしさんの声で我に返る。
鍋を確認すると、さっきまでは低かった水位が淵の寸前まで上がってきていた。
『え？あああ！すみません』
ぎりぎりのタイミングで火を止めながら、額に流れる汗を拭った。
・
「おはようございます！」
「おはよう」
起床時間が過ぎ、皆が食堂に入って来る。
その中には、一星君も。
「一星君、やっぱり一人だね……」
「しょうがないですよ、あんな事があったんですから」
『……よし。』
悠馬に委せてばかりでは無く、私も出来る事をしよう。
一人離れた場所にいる一星君を見て、私は小さく頷いた。
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きっしー - とっても面白いです。タツヤが見た怖い夢が実際にあったことで笑いました!(ﾉ´∀｀*) (2021年11月15日 7時) (
レス) @page2 id: 81b38530d7 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 風月鏡花（仮）ふるる。さん» ふるるさん！いつも優しくして下さって本当に有り難うございます！！部活も小説も頑張ります(* ´ ▽ ` *)ふるるさんも部活に受験勉強に、そして占いツクール、頑張って下さい！応援してます！！ (2020年9月15日 20時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
風月鏡花（仮）ふるる。(プロフ) - お久しぶりですっ！花鈴萌さんが戻って？来てくれてマジ嬉しいです！(σ≧▽≦)σこれからも更新頑張ってね！部活も！ (2020年9月15日 19時) (レス) id: 28f80b2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます……！ (2020年9月11日 18時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ずっと読ませていただきます♪更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年9月11日 17時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花鈴萌 | 作成日時：2020年4月28日 1時
