コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─6

175. Aizawa ページ18

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「…──こっちもない」

「対光反射、鈍くなってます」









硬膜外血腫を疑って、何ヶ所か頭を開けてみるけど血腫が見当たらない。









「──どうしたんだよ！！慣れてるんじゃなかったのかよ！！」

「…硬膜外には何も無い。硬膜下見てみよう」









硬膜外には血腫が見つからず、正直、硬膜下にもあまりある気がしない。









処置を続けていると、翔北にいる白石から連絡が来た。









「──藍沢先生？ドアが開くまで何分？」

「どうした」

「中は明かりも十分じゃないし…横峯先生と灰谷先生には、血管縫合の経験もない…ドアが開いてから、藍沢先生か藤川先生にやってもらうことは出来ない？」

「Aがいるだろ」

「それが…今──A出来ないって言ってて…」

「………なぜだ」

「…分からない。でも、手の感覚がおかしいって…いざとなったらAが切ってくれるらしいけど…」








…どうした…
Aの身に、何か起こったのか…？








「…。──ドアが開くのはあと10分はかかるそうだ」

「…10分は待ってられないわね…」









俺はAの無線に繋げて、
横峯たちに聞こえるように言った。









「──灰谷、横峯、どっちがやってる」

「横峯です…」

「もう一度切れ」

「…」

「灰谷はどうだ」

「…」

「灰谷聞こえるか」

「…はい」

「シアンガス騒ぎの時…お前は、臆病な自分を嘆いていたな。また後になって、病院に戻ってから嘆くのか、それともここで患者を救うのか…──決めるのはお前だ」








後で後悔するくらいなら──今切れ。灰谷。








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