コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─6

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少しすると灰谷の無線から、白石の声が聞こえてきた。







…──私の体はやっぱりおかしくなってってる。








手の感覚が鈍い。オペをやることになっても、今はこの手でオペをする自信が無い…







「──灰谷先生、モニター入れた。こっちから見えてる。…もう少し患部の方見せて」







灰谷がフライトスーツについているカメラを
患部が見やすいように寄せていく。





「…──ああ、見えた。動脈損傷かもしれない。ドアが開くのを待ってられないわね…」

「えっ…ここで足を…切開するんですか…？」

「そう。鼠径部(そけいぶ)を切開して大腿動脈を結紮(けっさつ)するの。Aも一緒にいたわよね？灰谷先生たちは実践したことないから、今回は無理せずAに切開してもらって──」

「…白石」

「なに？」

「…今回は…フェローに任せたい」

「…どうしたの？」

「……手の感覚が少しおかしいの…だからフェローに、頼みたい」

「…」

「…私がちゃんと近くで見て、指示する。…いざとなったら私が切開するから…」

「……A…？…分かった」









白石の声を聞いて、1度白石と連絡を切る。









「…水越先生、どうしたんですか…？」

「…今ならあなたたちの方が──私より処置が出来るはず…」

「…え？」








懐中電灯で横峯に照らされた私の指先は────紫色に変色していた。









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