158. Hiyama ─落胆の向こう側─ ページ1
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早足で階段を降りてると、手で抱えていた山積みの書類がバサバサ音を立てて床に落ちた。
「──うわ!」
「あ。ありがと」
その落ちた書類を、後ろから来た白石が拾ってくれた。
「おはよう。やっぱり帰れなかったね、着替え持ってきた」
「あー、助かる」
「…匠くんのご家族──決断されたんだね」
白石が目線を移したのは、私の手元の、脳死判定の承諾書。
この前事故で翔北に運ばれてきて、脳へのダメージが大きくて、意識回復の見込みはほぼゼロ。
「頑張ってた部活で事故とかさあ…親も辛いよね」
「うん。…2回目の脳死判定は?」
「3時間後」
白石と話しながらスタッフステーションに向かってると、雪村が後ろから歩いてきた。
「おはようございます!」
「ああ、おはよ。なんか最近感じいいね。肩の力抜けたっていうか」
「え…感じ悪かったですか?すいません…」
「ううん、違う違う。もっと…すごく良くなったっていう意味で」
すかさず白石が雪村のフォローに入る。雪村もほんと変わったなあ、なんかこう…丸くなった感じ?
「何かあったの?」
「冴島さんが、周りの雰囲気良くするのもナースの仕事だって」
雪村が感じ良くなったのは、
冴島の言葉のおかげらしいけどさあ──
「──嘘でしょ!?あいつこそいっつも仏頂面じゃんね?笑 ニコニコしてみろって感じだわ〜」
「冴島さんがニコニコしてたら逆に怖いよ、笑」
「確かに。考えただけでゾクッとするわ」
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萌娜(プロフ) - 夕空さん» 遅くなって申し訳ありませんでした。そう言っていただけて本当に嬉しい限りです(^0^)続編を出しましたので、よかったらぜひ(*^^*) (2018年7月28日 23時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - ともみさん» 遅くなって申し訳ありませんでした。アンナチュラルまで見ていただけてたなんて(^0^)本当にありがとうございます(*^^*)続編が出来ましたので、よかったらぜひ(*^^*) (2018年7月28日 23時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
夕空(プロフ) - 読む手が止まんないです!更新、楽しみにしてますね!(*´▽`*) (2018年7月10日 22時) (レス) id: 0275e3c218 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ - コードブルーもアンナチュラルもおもしろすぎます!更新楽しみにしてます! (2018年6月19日 2時) (レス) id: 53269475bb (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - あおいさん» 遅くなって申し訳ありませんでした(_ _)コメントありがとうございます(*^^*)本当に励みになるお言葉です(*^^*)拙い文章なのにそんな...(><)感激です(*^^*)これからもよろしくお願い致します(*^^*)(><) (2018年5月2日 22時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年12月29日 2時