089. Hiyama ページ20
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「──すみませんでした!」
HCUのベッドにいる緒方さんに頭を下げて謝った。
あんな形で、緒方さんにとって、とても大事なことを言ってしまった。
「なにが?」
「人生を左右することを、あんな形で、お伝えするべきではありませんでした」
「何言ってんの先生、そんなのじっくり言ったって時間の無駄だよ。早く教えてもらえれば──その分、早く次に向けて動き出せる」
「…でも…中心性頚損による手の麻痺は、リハビリをしても完全には…」
「それは統計上の話でしょ?俺には当てはまんないかもしれないじゃない。俺見えてますからね!自分が厨房に立ってる姿。……おーっ、笑 ほんとに見えんな!笑…いてててっ」
次に向けて──動き出せる。
緒方さんは、とても強いひとだ。
私もつられて、思わず笑顔になる。
「──ありがとね先生、これで復帰が早くなる。起きちまったことは変えられないんだ、今しかない。だったら…今この瞬間を、どう生きるかですよ」
────どう、生きるか…
その言葉に…心を動かされた気がした。
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萌娜(プロフ) - 杏さん» ありがとうございます(*^^*)とても嬉しいお言葉であります(><) (2017年10月29日 18時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 最近こちらに巡りあいまして楽しく読ませて頂いてます!更新楽しみにしてますね! (2017年10月28日 11時) (レス) id: ce7544d8fb (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - あやさん» ありがとうございます(><)感激です(><)これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年10月28日 10時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 面白いです!頑張って下さい! (2017年10月27日 17時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年10月23日 15時