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「──雪村、同意書貸して」
病棟の階段を雪村と降りながら、
雪村に頼んでおいたオペの同意書を受け取る。
気管切開術の同意書が書かれた端末に
ペンを走らせて署名欄を埋めていく。
「チューブ補充しといてくれる?後…電気メスも」
「はい」
「後は…分からないことがあったら冴島に聞いて」
「…」
階段を降りて、次の患者のところに行こうとすると──突然、私の前に立ちはだかる雪村。
「…なに?」
「…私、独りで出来ます。冴島さんと同じくらい」
「…そう」
肯定も否定もしない返事をしたら、
雪村は眉を寄せながら行ってしまった。
──経験の数は、ものをいう。
どんなに優れていても、経験の差は埋められない。
…雪村には、ちゃんと冴島から学んで欲しい。
経験を積んだって、どんな優秀なドクターやナースでも、独りで出来ることなんてたかが知れてるって、教えたかった。
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みき(プロフ) - 萌娜さん» 作品感動しましたので、これからもどんどん更新してほしいです!頑張ってください!q(^-^q) (2018年2月4日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - Ray@二次元LOVEさん» ご指摘ありがとうございます(*^^*)訂正させて頂きました(><)ありがとうございました(__) (2017年10月23日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - コメント失礼します。「59ー緋山」の父親の台詞が"趣味"ではなく"祝儀"になっています。訂正の程宜しくお願い致します。更新頑張ってください。応援しています。(o´・∀・)o! (2017年10月23日 1時) (レス) id: 06af8140b6 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - 香月さん» ありがとうございます(*^^*)感激です(><)とても嬉しいです(^0^)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 23時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
香月(プロフ) - すごく読みやすくて面白いです!続き楽しみにしてます!!(^^) (2017年10月22日 21時) (レス) id: fbef4f2d61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年10月21日 18時