コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─2

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「──…あ…ファストします…」









手の空いた灰谷が、自分から手を挙げて弱々しくファストしようとした時、名取にエコーを取り上げられて、代わりに名取がファストに入った。









「──誰か神経ブロックしてくれ」









ファストの仕事を奪われた灰谷は、ほぼ強制的に神経ブロックをする仕事になって、耕作の隣に自信のなさそうな目でたった。









「えっ、と…」









やり方が分からないのか、急に頼まれたからなのか、灰谷はオロオロしてる。









「…──坐骨(ざこつ)神経よ。分かる？」

「えっ？…はい…」

「…じゃあよろしく」









わたしは神経の場所だけ教えて、
また負傷箇所の処置を続ける。









いつでも何でも全部教えてちゃ、
フェローっていうのは伸びないから。







それは、私たちが経験して学んだ。
だからそれを、今度は私たちが教える。









「胎児に心拍(ハートビート)ある？」

「あー…見えました。元気ですよ」









緋山と名取は胎児の確認をしていて、
影響は出ていないみたいだった。












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