コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─2

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「──こちら翔北ドクターヘリ。17歳女性、右足関節に開放骨折だ。まもなく到着する」








ドクターヘリからの耕作の無線が初療室に響いた。









17歳か…
開放骨折だけなら、意識はあるはず。









「──宮本望海さん17歳、呼吸循環共に安定しています」









初療室に運ばれてきた、ストレッチャーに乗せられた患者をベッドに移す。









「──妊娠15週です」

「妊娠！？」









冴島が患者は妊婦だってことを伝えたら
何故か藤川は驚いて、目の前で躓いた。








…まるで、動揺でもしてるかのように。
藤川の身の回りで誰か妊娠でもしてる…のかな。








少しだけ藤川を冷めた目で見ながら、
私は患者の触診を始めた。









「──いっ、た…！痛い痛い！」









患者の意識はハッキリしてる。足以外は大丈夫そう。胎児も元気なはず。









「…あの、大丈夫？」









横で気持ち悪そうにしているフェローの横峯に声をかけた…多分、灰谷と同じ乗り物酔い。藤川の予想は的中してた。









「あはは…大丈夫です」

「…ならいいけど」

「──乗り物酔いする奴がフライトドクターになろうとか、どうかしてるな」









耕作が、フェローに向かって目も合わせずにそう言った。その瞬間、横峯の顔はあからさまに暗くなる。









「ファーストミッションで緊張するのは当たり前よ。どうしてそういう言い方するかな」

「足関節の開放骨折だ。洗浄の準備」

「…聞いてないし」









今度は白石が割り込んで耕作に注意してたけど、耕作は、完全に無視して処置を進める。








この言い合いだって──全部、懐かしい。






意見が食い違ったって、目指すものは一緒だってこと、私たちは知ってるよ。








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