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「……いや、うるさくてさあ〜。A先生と藍沢先生はなんで救命に行ったの〜?って」
奏ちゃんが見えなくなって、そんなことを言いながら、新海は私の肩に手を置いてきた。
「…──で、どうだったんだ。検査結果は」
横から耕作が新海にそう聞いた。
新海は、私の肩から手を離して言った。
「…──3.5cmだった」
「…3.5cmも…?」
「…ああ」
奏ちゃんの脳に蝕んでいる腫瘍の大きさは3.5cm。かなり大きくなっている。このままじゃ──
「──お待たせ!」
奏ちゃんが、私たちの分の飲み物も抱えて戻ってきた。
「買ってきたよ、先生たちのぶんも!」
「…いいのに」
「これでもっと先生達といれるもん。はい、藍沢先生と新海先生にはこれ」
耕作と新海に、奏ちゃんはブラックの缶コーヒー手渡した。
「…で、A先生にはこれ!」
「…カフェオレ?」
「いつもA先生、これ飲んでるよね。私、よく見てるでしょ」
「…ありがとう」
少しだけ頬を緩ませると、
奏ちゃんは満足そうに口角を上げた。
どうして、奏ちゃんは──
私のことなんて良く思ってくれてるんだろう。
「…あれ?Aって、ブラック嫌いだったの?」
新海がそう聞いてきた。
思わず苦手って口走りそうになったのを抑える。
…この前、新海からブラックコーヒー貰ったんだから、今苦手なんて言ったら、申し訳ないって、思ったから。
「…いやら別に嫌いって訳じゃ…甘いの気分の時が多くて…」
隣で、何故か耕作は一瞬笑っていた。
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みき(プロフ) - 萌娜さん» 作品感動しましたので、これからもどんどん更新してほしいです!頑張ってください!q(^-^q) (2018年2月4日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - Ray@二次元LOVEさん» ご指摘ありがとうございます(*^^*)訂正させて頂きました(><)ありがとうございました(__) (2017年10月23日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - コメント失礼します。「59ー緋山」の父親の台詞が"趣味"ではなく"祝儀"になっています。訂正の程宜しくお願い致します。更新頑張ってください。応援しています。(o´・∀・)o! (2017年10月23日 1時) (レス) id: 06af8140b6 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - 香月さん» ありがとうございます(*^^*)感激です(><)とても嬉しいです(^0^)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 23時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
香月(プロフ) - すごく読みやすくて面白いです!続き楽しみにしてます!!(^^) (2017年10月22日 21時) (レス) id: fbef4f2d61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年10月21日 18時