コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─

006. Shiraishi ページ8

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──午前中だけで4回もヘリが飛んでる。
今処置してる患者は2人。手が足りてない。








さっき緋山先生が、真っ黒になって患者の処置をしながら戻ってきてくれた。火事のあった場所が、緋山先生が住んでる上の階だったんだって。








入口で救急車待ってたら、緋山先生が患者の処置しながら降りてきたからびっくりした。







フェローの横峯先生に脳外にコンサルするよう頼んだら
藍沢先生が来てくれるらしい。Aはオペ中だって。









「──入ります」









すぐに藍沢先生の聞き慣れた低い声が聞こえて
橘先生が診てる患者を診始めてくれた。









「皮髄境界が消失してます…脳幹の圧敗が強い」

「ダメか」

「蘇生に時間がかかり過ぎました」









患者のコンピュータ断層撮影(CT)を見て、藍沢先生は言った。
…この患者は、助けられなかった。









死亡確認をして、急いで別の患者の処置をしてく。









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「…──両方ダメか」









結局運ばれてきた患者2人とも…助けることが出来なかった。









…──悔しい。









「──戻ってこないか？藍沢」









橘先生が不意に、そう言った。









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