コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─

005. Aizawa ページ7

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西条先生に連れられて、脳外科部長室に来た。









「──おはよう藍沢」









中にはもう新海がいて、目を合わせられる。
新海は脳外科での同期で、こいつも腕がいい。









「新海藍沢…そして今はいないが水越。この中で誰かにトロント大に行ってもらう。レジデントの椅子は──ひとつだ」

「この椅子は譲れないなあ」









笑いを含めた声で、新海にそう言われる。俺だって譲れない。









「──午前中だけで4フライトか、今日は多いな。これはまたこっちに押し付けて来るぞ」

「救命は受け入れるだけ受け入れて、捌ききれてないですもんね」







…確かに、救命は傷病全般扱っていて、
命を繋げるための応急処置をするだけ。








それが終わったら、後は患者の傷病に合った他の科に引き継ぐ。







特に脳は、専門じゃなきゃ簡単に手を出せない。






確かにそうだ。受け入れるだけ受け入れて、
捌き切れてないのが現状かもしれない。








だけど俺は──最前線で命と向き合うそこで学んだ。
そこで大事な仲間と…Aと、出会えた。









「──……トロント大の話、してもらってもいいですか」

「行くのは年明けだから、秋には決めたい。」









窓の外で、ヘリが飛んでいくのが見える。
…またコンサル頼まれそうだ。









そんなことを思ってると、予想が的中した。
胸元のPHSが──助けが、鳴り響く。









「──はい、藍沢です」

「藍沢先生コンサル頼みたいんですけど〜…後A先生？にも」

「…Aは今オペ中だ。俺が今行く」









電話の相手は救命のフェローで、俺は初療室に走った。









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