032. Aizawa ページ34
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俺が現場に駆けつけて処置した橋爪悠斗が目を覚ました。それを見て、Aは安心した顔をしてた。
Aはまだ──7年前の出来事に縛られてる。
あの出来事は、決して忘れていいものじゃない。
Aを追いかけて、俺はヘリポートまで行った。
「…この前は、久しぶりにヘリに乗った」
「…戻りたくなった?」
Aは、悲しそうな暗い目で、俺を見てきた。
俺は何も言わずに夜空を見上げた。
今日は星がいつもよりはっきり見えた。
「…Aは、まだ救命に戻る気はないか?」
「…」
Aは俯いて、黙り込んだ。
…まだ抱え込んでる。ずっと、独りで。
「…──怖いの…っ、」
Aの目は濡れていて、
大粒の涙が、瞬きする度にこぼれてく。
…Aは、脆い一面がある。
普段は強がって、必死に隠してる。
隠してても、隠しきれずに影で肩を震わせて泣いている姿を見てきた。
泣いてる時のAは壊れてしまいそうで、
目を離せば消えてしまいそうで──
抑えきれなくなった俺は、Aをそっと、抱きしめた。壊れないように、離れていかないように。
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キキ(プロフ) - 萌娜さん» 質問していいですか? (2021年2月21日 7時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - 読みたいと思ったのですが、誰が話しているのかわけて頂けると読みやすくていいかなと思います。 (2019年7月22日 13時) (レス) id: 6ad9466953 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - まゆみさん» ありがとうございます(^0^)続編を作らさせていただきました(*^^*)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます(><)続編を作らさせていただきました(><)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください(*´∀`) (2017年10月21日 18時) (レス) id: 7ed3d46186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年8月16日 6時