コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─

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フェロー卒業後の進路希望を書く紙を渡されて、私は悩んでた。









救命にはいたくない。
今の私じゃ──助けられない。









…どうすればいいのか、分からない。
そんな時、耕作が私の隣に来てくれた。









『…──A、希望先はもう出したか？』

『…まだ』

『悩んでるのか？』

『…』









悩んでた。救命は、今の私じゃ出来ない。私は医者に向いてないかもしれない。








そんなことを思ってしまうくらい、あの出来事は、私の中で大きなものだった。









『…Aは、救命に残るのか？』

『……──残り、たくない…』









涙が零れそうになってきて、必死に抑えてた。
泣いちゃダメだって、自分に言い聞かせても、勝手に涙はたまって、視界がぼやけてく。









『……だったら──脳外科に行かないか…一緒に』

『…え？』

『…脳外科は面白い症例が多い。技術も格段にあがるし、知識も大幅に広がる。そうすれば──助けられる患者も増える』









『……俺はAと、脳外科に行きたい』









腕を上げて、どんな患者にも対応出来るようになれば、救命に戻っても、あんな風に死なせないようになれる…？









耕作の言葉で、迷っていた私は
脳外に転科することを決めた。









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