コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─

013. Shiraishi ページ15

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緋山先生はさっきから、
保険会社に携帯越しに怒鳴ってる。









火事の件でとても家には帰れなくて、
病院から離れたホテルしかとれないらしい。









だから私の家に泊めてくれないかって。
しかも1ヶ月。…ごめん、さすがに無理。









緋山先生は機嫌が悪くて、
声がどんどん大きくなってく。









私は藤川先生と目を合わせて、
困ったねっていうアイコンタクトをとった。









「──なんなの！？家はメチャクチャ。今日寝る場所が無ければ着替え1枚もない、その上、職場は人手不足で扱う症例はハッキリ言ってつまんない。やってらんないんだけど！」

「分かるけど…」

「せめて藍沢戻せない！？出来るならAも！」

「だよなー、それが俺も1番いいと思ってたんだよ〜」

「今日だって来てたじゃん？」

「でも…救命には戻らないって…」

「あそこでもう一押しすれば良かったでしょ！？」

「そうだよもうちょっと言えばアイツうんって言ったかもしれないよ──」

「うるさい！！」

「…ハイ」









機嫌が悪い緋山先生は、
理不尽に藤川先生を怒鳴る。






相当イライラしてるんだな…








「白石、あんたスタッフリーダーでしょ？言ってきてよ」

「…私が？」

「藍沢とAに──戻 っ て 来 い って」

「え…」









橘先生が頼んだって断ったのに、
私があのふたりなんて──戻せるの？








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