009. Aizawa ページ11
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「──今朝の救命の患者、ダメだったんだって?」
「ああ」
新海と患者のCTを見ながら、
その患者のオペについて話をしていたら、今朝のことを聞かれた。
「お前も案外人がいいよなー、古巣の頼みは絶対に断らない。でも、大丈夫か?」
「何が言いたい」
「俺はきちんと腕で認められてトロント大に行きたいんだよ。藍沢が救命に振り回されたお陰で、新海が行けたとか思われたくないからな」
「お前は自信家だな」
救命からのコンサルで忙しい、
なんてそんな理由でレジデントを逃す訳ない。
「…そうだ、Aは?」
「もうオペは終わってるだろ。西条先生に呼ばれてるんじゃないか」
「Aはトロント大、どう思ってんだろうな?」
「…さあな」
今朝、オペに入る前のAに聞いた時は、行かないと言われた。
…本当にAは、行く気がないのか?
「…藍沢にひとつ、言いたいことがあってさ」
「なんだ」
「…実はさ、俺──Aのこと好きなんだ」
「………そうか」
新海の口から飛び出てきたのは──衝撃的なひとことだった。
新海がそんなことを思ってたなんて、今、初めて知った。
新海とも、もう付き合いは長いはずなのに。
「どんな時も冷静だね、藍沢は…好きじゃないの?」
「……」
「藍沢が欲しくないなら──俺が
俺は──何も返せなかった。
俺だって…あいつのこと──
「──ま、いいや。患者見に行ってくる」
遠ざかっていく新海の背中から、目を離した。
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キキ(プロフ) - 萌娜さん» 質問していいですか? (2021年2月21日 7時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆか(プロフ) - 読みたいと思ったのですが、誰が話しているのかわけて頂けると読みやすくていいかなと思います。 (2019年7月22日 13時) (レス) id: 6ad9466953 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - まゆみさん» ありがとうございます(^0^)続編を作らさせていただきました(*^^*)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます(><)続編を作らさせていただきました(><)これからもよろしくお願いします(__) (2017年10月22日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - 続きが気になります。更新頑張ってください(*´∀`) (2017年10月21日 18時) (レス) id: 7ed3d46186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年8月16日 6時