名を名乗れ ページ7
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「大丈夫、ではなさそうだね。よかったらこれ使って」
「あ、ど、どうも」
「そうだな、まず人混みから抜けようか。立てるかい？」
「無理、かも」
「………じゃあ仕方ないや、ごめん。ちょっと我慢してね」
「な、っ」
なにを、と言う前に猫ごと抱き上げられてしまった。まるで超能力でも使ったみたいに軽々と持ち上げられてしまったことに驚く。力持ちさんだ。
とりあえずここで、と降ろされたのはさっきの場所からだいぶ離れた公園だった。速すぎはしないか？1分も経っていないはずだ。
でもそれのおかげで感情を爆発させている誰かさんと離れることができたらしく、だいぶ楽になった。
………ところでさっきの彼はどこに行ったんだろうか。ちらりと猫を見る。まだ飼い主は見つかっていないんだっけね
「でもまだ頭痛いや。今日はもう休んだら帰ろうか……」
「うん、それがいいよ」
「！！？」
「はい飲み物。お茶でよかった？」
「えっ、あっ、大丈夫。ありがとう」
爽やかスマイルでこちらを見ている彼は一体何者なんだ。紳士が過ぎる。
「それは塩中の制服だよね、えっと」
「Aです。AA」
「そっか、Aちゃんは人混み苦手なんだね」
いや、そうでもない。あれはたまたまだったのだが、まあそう思われてるならそう思わしておこうか。
「まあ……」
「じゃあなんで人混みなんかに？」
「あ、実はこの猫の飼い主になってくれる人を探してる途中でね。うちのマンションは飼えなくて」
「みゃあ」
言いながら抱き上げると「キミの猫じゃなかったのか」と驚かれてしまった。
彼は猫を撫でながらかわいいね、と言って笑った。そして何かを考え込んだあとに私から猫を取った。なにすんだべこの人は。
「ね、僕が飼ってもいいかな！」
「えっ、いいの」
「だってAちゃんの家じゃ飼えないんだろ？」
「うわぁ、本当にありがとう……」
そのあと、そろそろ家に帰ろうと言った私に送るよと言った彼に、それは流石に悪いと断ったところで気づく。
名前聞いてないや。
名前を聞こうと思い、夕焼けに染まった公園を振り向いた。が、彼はいなかった。
だから速いってば。
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トサカ(プロフ) - ブラピさん» ありがとうございます！嬉しいです！頑張ります〜！ (2019年2月9日 20時) (
レス) id: 43532ea6c0 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2019年2月9日 18時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
トサカ(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» ありがとうございます〜！しばらく離れていたのですが、最上編まではどうにか書きたいと…気合いで…コメントとっても励みになります (2019年2月8日 22時) (レス) id: 43532ea6c0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めっっっちゃ続き気になります！！ (2019年2月7日 21時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
トサカ(プロフ) - 主(仮)＝フラグ建築士二級さん» ありがたいお言葉！更新停滞しててすみません……慰め程度ですが更新をば…… (2016年9月11日 10時) (レス) id: 27a18cd677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トサカ | 作成日時：2016年8月14日 2時
