かなりの力で殴った ページ4
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「奥に行くにつれて視界が悪くなってきたな」
「まあ当たり前ですよね」
「懐中電灯持って来ればよかったですね……あ、意外と多い」
「なにが?」
私たち(主に霊幻さん)がここは涼しいだの湿気があるだの話しているうちに霊が集まってきてしまった。なにが?だなんて聞いてくる霊幻さんは気づいていないのだろうか。
「あ、完全に囲まれました。襲ってきますよ」
「……よし!雑魚は任せた。やれ、モブ」
「霊幻さん、私は?」
「Aは俺についてこい」
その直後に聞こえだした激しい音に、そういえばもう何年も花火を見に行ってないなぁとモブくんの除霊音に気を取られていたら、なにやら先ほどからブツブツ呟いていた霊幻さんが急に速度を速めたので置いていかれてしまった。
すぐ気づいて追いつこうとするも暗闇だし足場は悪いしでなかなかうまく進めない。まだそっちには霊がいるのに。せめてちゃんと前を見て歩いてください。
「ちょ……待ってくださいよ、ぶつかりますよ」
「うおっ」
言わんこっちゃない。霊幻さんが悪役レスラーみたいな顔をした霊にぶつかった。見た目的に中ボスっぽいからコイツ危ないんじゃないの?と考えていたら、モブくんからもボスっぽいのがいるから気をつけてくださいとの注意が飛んできた。ちらりと様子を見た限り、霊幻さんは動かないようなので私がやるしかないかと桃の棍棒を握りなおす。
死んだ暴走族の頭だったと名乗る悪霊が根性焼きポルターガイストなるものを霊幻さんにかけようとしていた。モブくんがバリアを飛ばし、それを防いだのと同時に駆け出す。
「な、何ぃ!?俺の発火攻撃が………」
「れーげんさん、しゃがんで!!」
私の叫びに従ってしゃがんだ彼を踏み台にして跳躍する。棍棒を頭上に振りかぶりその勢いのまま振り下ろすと、接した部分から順々に溶けるように消えていった。よっしゃ。
霊幻さんは私に踏まれたスーツの汚れを払いながら、断末魔をあげる悪霊に「オゾン層に還るといい」と言った。悪霊はオゾン層から成るのかどうかわからないが、本人は決め台詞のつもりなのだろう。そっとしておくことにした。
「私がやったんですけどね」
「俺だって踏み台になってまで手伝っただろ?……さっさと帰るぞ」
「モブくーん、帰るってさー」
「おい待て走るなA!また出た……転んだらどうすんだ!!」
物理攻撃で仕留めるのは非常にしんどい。
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トサカ(プロフ) - ブラピさん» ありがとうございます!嬉しいです!頑張ります〜! (2019年2月9日 20時) (レス) id: 43532ea6c0 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年2月9日 18時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
トサカ(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» ありがとうございます〜!しばらく離れていたのですが、最上編まではどうにか書きたいと…気合いで…コメントとっても励みになります (2019年2月8日 22時) (レス) id: 43532ea6c0 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めっっっちゃ続き気になります!! (2019年2月7日 21時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
トサカ(プロフ) - 主(仮)=フラグ建築士二級さん» ありがたいお言葉!更新停滞しててすみません……慰め程度ですが更新をば…… (2016年9月11日 10時) (レス) id: 27a18cd677 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トサカ | 作成日時:2016年8月14日 2時