【モブサイコ100】夢を探しているのです

「(そりゃあね…)」 ページ17

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「A上手いじゃん！すごい！」

「はは……」






そりゃあね！！？
だって超能力使ってるもん。普通あんなに手首曲がらないよ。すごいよダンス同好会。

いま、私はＡとBに習ってダンスをしている。2人は意外にもスパルタであった。ステップがあーでもない、目線がこーでもない、そうやって何度も私の関節を曲がらない方向にひん曲げてきた。そっちには曲がらないんだよと言っても「ドントウォーリー、ドントウォーリー」と棒読みで延々と呟くのみだ。

実はわたし虐められてるのかな？と、そう疑ってこっそり2人の感情を読んでみたりしたけど、わかったのは2人は至って真面目に、驚くほど真面目に。本当に真面目に！逆側に曲がると信じて、良心で、私の関節を殺しに来ていることだけだった。

ほらまた曲げる！そんな方向曲がらなあいたたたた！！たすけてなけなしの超能力！！







「いいじゃんA」

「できたじゃん。やるぅー」

「……曲げたん！でしょ！？2人がね！？」








いい笑顔で親指を立てる2人に向けて息を切らしてそう叫ぶと、ぱちくりと目を瞬かせたあとにどうやら急激に私の関節から興味を失ったようで、Bちゃんなんか時計を見て「もう2時間やってたんだねー」と言った。に、2時間も関節をいじめられてたのわたし！！？






「そんなに？じゃあ終わりにしようか」

「そだね…A、上手だからすぐ仕上げられるよ。助かっちゃうな」

「本当に？いっぱい頑張る！」

「ふふ、じゃあ、また明日ね」

「うん。ばいばい」







2人は体操服のまんまでささっと教室から出ていった。おい、置いてくな…おい……。

私はモソモソと動き遅く着替え、体操服をリュックに詰め込んでため息をついた。はーーーーーーーーーーーーダンス難しいな。でも楽しいな。

そうして、ふと、モブくんのことを思い出した。くるぶし公園がどうのこうのって言ってた。ダマサがなんちゃらら……とも言ってた。なんだろう。気になる。気になるから今から行ってみようかな。もう居なくなってるかな。でも、まあ、行くだけは行ってみよう。モブくんに会いたいもんね。それと少し胸騒ぎがするんだ。私の第六感が、使えないはずの超直感が、なんだか悪いことが起こっているよ。って私に言ってくるから。モブくんのところに行かなきゃ。






「……よーし」






くるぶし公園に行こう。
何も無ければ、それでいい。








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