元天才リベロは烏野のマネージャー 12

553.良いチーム ページ29

品居side


そして、瀬戸自身、その事を十分理解しているだろう…

…だからこそ、俺らに対して…弱い自分に対してあの反応を示したんだ

…その悔しさが痛いほどわかるからこそ、俺は瀬戸にこんな所で腐って欲しくない


高賀「…じゃあ、向こうのチームの人が声をかけますかね？」

品居「…いや、やんねぇだろうな…俺が味方ならやらない」


…俺は敵だから、声をかけただけ

味方ならこのタイミングで、あの "腐りかけた奴" に声なんてかけないだろう…


高賀「えっ？なんで？」

品居「この後、加持ワイルド・ドッグスは3決を控えてんだ。ここで味方が瀬戸に声をかけても、今のあのメンバーじゃ、瀬戸は自分を責めるだけだ。それは加持ワイルド・ドッグスにとっても得策じゃない。俺ならほっとくね。つうか多分、加持もほっとくだろうな」

高賀「…なんか、やけに加持さんって人に詳しいですね」


ジェラシーというか、親を取られた拗ねた子供のような声で口を尖らせて聞いてくる高賀…


品居「…まぁな…アイツとは1回、全国でやり合ってんだよ。アイツが烏野のセッターんときに」

高賀「あっ、そうか！同い年ですもんね！」


納得した！とばかりに、嬉しそうな顔になる高賀に若干引いたのは申し訳ない…


品居「おぉ…あと、赤井沢は一個下だ…アイツも烏野のMBだった」


加持ワイルド・ドッグスは良い選手の集まりだ…

今回は女子高生ってことで、瀬戸ばっかり注目されてるけど…

プロとやり合ってここまで勝ち進んできたのは瀬戸の力だけではない

加持はキャプテンとして、セッターとして、よくこのチームをまとめてる

赤井沢も、MBとしてあの身長は脅威だ

月島もエースとしての実力がある

今野だって、全国で見た事のある顔だ…瀬戸と同じく、相手によってポジションを使い分けることが出来る有能な選手だ

"バレーは6人で強い方が強い"

今回、瀬戸はそんな選手のいるチームで、チームの一員として足を引っ張ったのだ…


品居「…お前さ？高校んとき、試合直後、歳が離れてるやつ…例えば、監督とかコーチとか親の話って素直に聞けなかったことねぇか？同じ話でも、先輩とか、同級生の話なら聞けるのにってこと」


高賀「…ありましたねw…まぁ逆もありますけど」

品居「…まぁ、お前はまだ反抗期だからたまに俺の話も聞かねえもんな」

高賀「そんなことないっすよw」

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